クリーマが貫いた「数字だけで評価しない」価値 なぜベンチャーが「大手資本」に勝てたのか

東洋経済オンライン / 2021年1月24日 9時30分

クリーマ社長の丸林耕太郎氏に競合サービスとの違いを聞いた(筆者撮影)

ハンドメイドの洋服、アクセサリー、家具などと消費者をつなぐマーケットプレイス「Creema」を運営するクリーマが2020年11月27日に上場。4850円をつけた初値は公募価格を4割上回った。PERが100倍を超える数字は、市場が同社の将来性を高く評価した結果と言えるだろう。

ハンドメイド製品をネット上のマーケットプレイスで販売、消費者とクリエイターをマッチングさせるというビジネスモデルは、アメリカのEtsy(エッツィー)が最初の成功例として注目された。エッツィーは現在、年間総取引額で1兆円を超える規模にまで成長している。

そうしたアメリカの事例に倣い、日本でもさまざまな企業が参入したものの、現在、メジャープレーヤーとして生き残っているのは2社だけ。1社はGMOペパボ、もう1社がクリーマだ。

実は筆者は運営するクリーマの上場記者会見を取材していたのだが、そこで最も興味をひかれたのが、名だたる大手資本が参加しながらも、最終的に残った2社の片方がベンチャーだったことだ。

なぜ彼らは大きな資本力を背景とした類似サービスと戦い、生き残ったのだろうか。

■競合との違いは「コンセプトとアプローチ」

Creema最大のライバルはGMOペパボが運営するminneというサービスだ。流通総額はCreemaとほぼ同じ規模だが、登録クリエイターの数はminneが4倍の規模を誇る。この数字だけを聞けば、minneのほうが市場に受け入れられていると考えるかもしれない。

しかし商品を販売するクリエイターが4倍にもかかわらず、売り上げが同等ということは、言い換えればクリエイター1人当たりの決済額に違いがあるということになる。

両サービスは現時点において、極めてよく似た設計になっており、重複して商品を販売するクリエイターも少なくない。そうした中でCreemaのほうが平均決済金額が高い理由は「プロやセミプロが中心のマーケットだから」(クリーマ社長の丸林耕太郎氏)だと話す。

それにしても、クリエイター1人当たりの平均売り上げ規模が4倍も違うということは、よく似たマーケットのようでありつつも、実際には異なるマーケットとして考えねばならない。

ここでのテーマは、クリエイター1人当たりの売り上げを押し上げる主因のプロやセミプロのクリエイターがなぜ集まるのか――。丸林社長に取材すると、その違いが見えてきた。

ハンドメイド商品のマーケットプレイスを開いた多くのライバルが、より多くの出品者を集めるため、間口を広げ、多くの広告を打ち、誰もが参入しやすい環境を作ることに力を入れたのに対し、Creemaはまず、自分たち自身が“掲載してほしい“と感じるクリエイターを日本中で探しては訪ね歩き、出品を承諾してもらうところから始めた。

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