エア・ドゥ初号機、「地球を1079周した」その生涯 22年間の就航、「ラストフライト」に惜しむ声

東洋経済オンライン / 2021年1月24日 7時10分

ラストフライトの乗客を見送るエア・ドゥの職員(記者撮影)

1月20日午後1時53分。北海道の新千歳空港を飛び立った札幌拠点の中堅航空会社「AIRDO」(エア・ドゥ)のボーイング767ー300ERが、羽田空港に降り立った。

この機体(機体記号はJA98AD)は、1998年12月20日に同社が札幌―羽田線に就航したときの初号機で、この日が最後の営業フライトとなった。総飛行時間は6万0119時間。地球を1079周した距離に匹敵するという。コロナ禍のコスト削減策の一環で、数年前倒しでの退役となった。

■「ドゥーくん」との別れを惜しむ乗客

緊急事態宣言の発出中ということもあり、286席のうち搭乗したのは129人と、やや寂しいラストフライトとなったが、都内に住む40代の女性会社員は、「北海道に行くときはいつもエア・ドゥで、98ADにも数年前に乗った。ありがとうと言いたくて搭乗した」と別れを惜しんだ。

初号機に乗務した客室乗務員らが手づくりで制作した絵本「がんばれ!ドゥーくん」にちなみ、98ADには「ドゥーくん」の愛称もあった。搭乗口上部には、いまでは珍しい機体記号の打刻も見られ、レトロ感も満載。乗客が降り切ると、職員らが万感の思いを込めて機体に感謝のメッセージを書き込んだ。

767ー300ERの「ER」は、Extended Range=長距離型という意味で、要は国際線仕様ということだ。長距離型ではトイレが7カ所配置(国内線仕様は4カ所)されているほか、ギャレーには機内食を温めるオーブンや電子レンジを搭載できる。無線機も国際線用のものを装備できる。

エア・ドゥの旧社名は北海道国際航空。創業者の浜田輝男氏が「いつの日か、国際線も」との夢を託したが、1998年の就航以来、同社が定期便で国際線を飛んだことはなく、結局このER機材にオーブンや電子レンジ、国際線用の無線機が搭載されることはなかった。

エア・ドゥは、小型のボーイング737型機(144席)を8機、中型のボーイング767型機(286~288席)を6機保有するが、今回の98ADを含め、2021年3月期にこのうち2機が退役し、767は4機体制となる。

ただ、そのうち2機は98ADと同様、製造から22年を超える機齢で、比較的新しい737への集約を含め、後継機を今度どうしていくかは喫緊の課題となる。

「737と767の2機種体制は堅持する方針だが、コロナ後の需要をどうみるかで、後継機の選定は難しい判断になる」(エア・ドゥCSR企画推進室の工藤智章副室長)という。

■航空機史上、画期的だった767

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