ピルの効果は避妊だけと思う人の大いなる誤解 生理で年6800億円損失、向き合い始めた企業も
東洋経済オンライン / 2021年1月30日 9時0分
「女性は月の半分を女性ホルモンというコントロールできないものに左右される。男性と同じ経営者であってもそこが異なる。解決できる手段があるのならば投資をしようと思った」
こう話すのは、営業代行事業を展開するSurpass社の創業者でCEOの石原亮子氏だ。石原氏は30代半ば、「月経前症候群(PMS)」の症状を以前より感じるようになった。
生理(月経)前の1週間前後にわたってみられるPMS。抑うつ気分や頭痛といった精神的あるいは身体的症状が現れる。そのような心身の状態で「経営に関する重要な決断をすることに恐怖を感じた」と振り返る。
■「低用量ピル」という思わぬ答え
そうした中、低用量ピルという解決方法を海外の友人から聞き、衝撃を受けた。
低用量ピルには女性ホルモンに似た成分が含まれており、毎日服用することで排卵が抑制される。服用は1カ月に1週間休む。この休薬期間中に子宮内膜が剥がれ、生理が来る仕組みだ。
ピルの効果は高い避妊効果だけではない。女性にとって魅力的なのは、生理痛の緩和や生理周期の安定、さらにPMSの緩和や肌荒れの改善といったさまざまな副次的効果だ。排卵がないことにより、子宮内膜症の悪化を防ぐというメリットもある。
「ピルという解決策があるのに、日本ではなぜタブーなのか」。石原氏はそう考えた。Surpassの社員の約8割が女性だ。石原氏自身はピルが体に合わなかったが、「社員にピルという選択肢を知ってもらいたい」という思いを強くした。
そこで2020年11月、ピルのオンライン処方などを行うベンチャー企業・ネクイノ(大阪府大阪市)のサービス、「スマルナ for Biz」を福利厚生として試験導入した。2021年2月から本格導入に踏み切る。
■「頑張りなさい」の一言で我慢してしまう
スマルナはアプリをダウンロードしてチャット上で医師の診察を受けると、処方されたピルが自宅ポストに届くサービスだ。料金は、低用量ピル1カ月分が処方されるプランで約4000円。診察代やシステム利用料、送料が含まれている。ピルが毎月届く定期コースもある。もちろん副作用もあるため、半年に1回は婦人科か内科で血液検査をすることが推奨されている。
ネクイノの石井健一社長は、最もよいのは直接医療機関で相談することだとしながらも、女性が生理の悩みで医療機関にかかるハードルの高さを指摘する。それは通院する時間的余裕がないといったことだけではない。
この記事に関連するニュース
-
アプリで診察、ピルが届く「スマルナ」50万ダウンロードを突破!大幅サービスリニューアル
PR TIMES / 2021年4月16日 10時45分
-
安価の「ニセモノのピル」が大量流通 密造品を確認するすべはなし
NEWSポストセブン / 2021年4月12日 16時5分
-
株式会社ネクイノがSOMPOひまわり生命と業務提携
PR TIMES / 2021年4月9日 14時15分
-
オンライン診察プラットフォーム「スマルナ」eKYC・顔認証による本人確認システム実装
PR TIMES / 2021年4月9日 12時15分
-
女性社員向け福利厚生制度『ルナルナ オンライン診療』を活用した婦人科受診と低用量ピル服薬支援が「上手な医療のかかり方アワード」にて優秀賞を受賞!
PR TIMES / 2021年3月23日 15時15分
ランキング
-
1医師たちが食べている「認知症予防ごはん」、共通点は “昭和の食卓” にあった
週刊女性PRIME / 2021年4月18日 8時0分
-
2一人暮らしの食費の平均は1ヶ月いくらか、総務省のデータを元に詳細を解説
LIMO / 2021年4月18日 18時55分
-
3博多大吉、NHK鈴木アナの“失言”に「謝りなさい」 的確なツッコミに反響
しらべぇ / 2021年4月16日 17時20分
-
4「マスク使い回し」「10円節約で修理代10万円」…etc.やってはいけない節約術
週刊女性PRIME / 2021年4月18日 13時0分
-
5合コンも1円単位で割り勘。職場のイケメンが「どケチすぎて」幻滅した話
bizSPA!フレッシュ / 2021年4月18日 8時45分