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スーチー氏拘束、跋扈するアジアの「権威主義」 米バイデン政権の外交政策が試されている

東洋経済オンライン / 2021年2月4日 11時30分

こうした民主化・人権外交をどこまで推し進めるのか。今回のミャンマーのクーデターへの対応はその試金石となる。周辺国はアメリカの出方を注視している。アメリカが強く出れば、権威主義国家は「内政不干渉」を支持する中国寄りとなる。

欧米の経済的制裁は昔ほど効果がなくなっている。それは、アメリカの経済力が相対的に低下し、中国という受け皿がより大きくなっているためだ。

外務省によると、タイに依存する隣国のラオス、日本に石油・天然ガスを輸出するブルネイを除けば、ASEAN8カ国の貿易相手のトップは中国である(2020年)。中国にとっても対ASEAN貿易額はEUやアメリカを上回り、初めて首位にたった(出所は中国税関総署、2020年上半期)。ASEANと中国の間の経済的な依存関係は深まる一方、貿易摩擦の影響で対米貿易額は大きく減少している。

中国の海警法をめぐっては、ベトナムのみならず、中国との融和政策をとってきたフィリピンのドゥテルテ政権も強く非難した。今後、同法を根拠に中国船が他国の船舶にさらなる圧迫を加えれば、衝突も予想され、その際のアメリカの対応が焦点となる。

北朝鮮による核武装強化を放置する結果となったオバマ政権の「戦略的忍耐」政策は、中国が南シナ海で7つの岩礁を埋め立てて要塞化する時期と軌を一にした。慌てたアメリカは軍艦を同海域に派遣する「航行の自由作戦」を実施したが、時すでに遅く、島々の存在は既成事実となった。

トランプ政権は米中対立が激化した政権末期になって「南シナ海をめぐる中国の主張はまったくの違法」(ポンペオ前国務長官)としたが、バイデン政権はこれをどう引き継ぐのか。注目点はベトナムとの付き合い方だ。

ベトナムは南シナ海の領有権をめぐり中国と最も激しく対立している。かつて敵国であったアメリカとの友好関係を深め、アメリカの空母のダナン寄港(2018年)を認めたり、2019年にトランプ氏がベトナムを訪問した際は、ボーイング社の航空機の大量発注を発表したりと蜜月をアピールしてきた。安全保障上、中国を牽制する意図があるのは間違いない。

■バイデン政権が試されるベトナムへの姿勢

他方、米中貿易摩擦を受けて多くの企業がベトナムに移転してきたこともあり、対米黒字は日本を超えて積み上がっている。これを受けてアメリカは2020年末、ベトナムを為替操作国に認定した。バイデン政権は経済を優先させてベトナムに制裁を科すのか。それとも対中国の安全保障との兼ね合いで手を緩めるのか、さじ加減が試される。

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