1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

高速鉄道「頓挫」でも懲りない中国のマレー戦略 マラッカ海峡を回避する戦略ルート「東海岸線」

東洋経済オンライン / 2021年2月7日 8時30分

マレーシア政府は、2020年末の高速鉄道プロジェクト凍結期限到来を前に、事業断念を回避すべく、さまざまなコスト削減策を検討した。事業構造や契約で示されたビジネスモデルなどについて改めて精査する一方、欧州や英国、日本、韓国の高速鉄道のビジネスモデルの比較、検討を進めた。また、30%前後のコスト削減を目標に、線路設計や駅所在地にもメスを入れたという。

■コロナ禍が断念の決め手に

あらゆる方法を使ってマレーシア政府は事業存続を目指したが、新型コロナウイルスの感染拡大による財政悪化は深刻で、新たなインフラ開発に回せる資金はないと判断した。

こうした背景もあり、12月2日に両国首脳間で行われたテレビ会議の席上、プロジェクト断念で合意。凍結の期限が切れた翌日となる2021年の元日に、両国首脳が正式に計画の断念を発表した。

事業の中止決定を受け、マレーシア側は補償金をシンガポール側へ支払う義務が発生する。今後、シンガポール政府が金額の詳細を通告し、マレーシア政府が精査するという。

ムスタパ首相府相(経済担当)は補償金額について、「シンガポール側との契約上、開示できない」としているが、2020年5月までの事業凍結が決まった際は、マレーシア側は補償金として1500万シンガポールドルを支払うべきと提示されている。

一時は中国、韓国や日本が受注競争に参戦した高速鉄道計画。それぞれの国がパッケージで輸出すべく、運輸当局者だけでなく、一般市民にも自国の高速鉄道の水準の高さをアピールするため、 クアラルンプール市内で積極的にロードショーを実施したのが目をひいた。

日本は同市中心部にある伊勢丹の店舗内で、JR東日本が新幹線の安全性や定時性を強調するパネルなどとともに、プラレールを使って来場者の目を引く作戦に出た。韓国は、マレーシア国鉄(KTM)のメインターミナルであるKLセントラル駅隣接のショッピングモール内に店舗スペースを借り、長期にわたって同国の高速鉄道、KTXに関する紹介を行った。

一方、今世紀になって急激に高速鉄道網を広げた中国は、KLセントラル駅のコンコースに大型ポップアップブースを設置し、自国の高速鉄道に関する動画や模型を展示した。

中国はマレーシア国鉄に車両を供給するなどすでに関係は深く、海を挟んで隣国のインドネシアでは高速鉄道の受注に成功している。今回の高速鉄道計画断念は、中国の東南アジア展開に影響を与えそうにも思える。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング