家族の死後に孤立、コロナ禍で変わる「遺族会」 オンライン化はコロナ時代に広がるか

東洋経済オンライン / 2021年2月8日 7時30分

大切な人と死別し、喪失感を抱えて苦しむ遺族は少なくない(写真:公益社)

新型コロナウイルスは生活のさまざまな分野に影響を及ぼしている。遺族会もその一つだ。

配偶者との死別など喪失に対する身体的・心理的反応や症状はグリーフと呼ばれる。悲嘆と訳されるが、日本語の嘆き悲しみという意味よりは広い概念だ。程度の差はあれ誰もが経験するものではあるが、健康上のリスクが高まったり、時には自殺という深刻な事態に陥る。

東証1部上場の燦ホールディングスの中核葬儀会社、公益社は自社で葬儀を挙げた遺族の心のケアを目的に、2003年から「ひだまりの会」を運営している。大阪本社で毎月第3土曜日に行われる月例会は、専門家の講演や遺族の体験談、少人数のグループに分かれて体験を語り合う「分かち合い」、音楽の生演奏を聴いたりストレッチをするなどのリラックスタイム、という構成になっている。

この会は、大きなグリーフを抱える人への援助や支援を行うグリーフケアの1つ。グリーフケアの方法は、周囲の友人などの支えから専門家によるサポートまでさまざまある。

■オンラインならではの楽しみも

感染拡大を受けて、ひだまりの会では昨年3月から月例会の中止を余儀なくされた。だが「一日でも早く再開してほしいという会員の要望が強く、安心・安全に参加できる方法を検討した」(事務局の安西涼子氏)。

そこで、7月からZoomを使ったオンライン月例会を始めた。機器の操作やインターネット接続は事務局がバックアップ。コロナ前は25人程度だったが、オンラインになってからも10人弱が参加している。やめていた新規勧誘のダイレクトメールも今年1月から復活させた。

コロナ前から例会に参加している赤尾ひとみさんは「毎月の例会は心のよりどころ。次回はあれを話そう、これを話そうと考えながら日々の生活を送っています。オンラインでも会員のみなさんとつながることができ、とても嬉しい」と語る。

赤尾さんは2年余り前に食道がんで夫を亡くし、深い悲しみを経験した。今でも「ふと空を見上げた瞬間に寂しさが込み上げてきて、その場にしゃがみこんで泣きそうになることもあります」。それでも「ひだまりの会で、みなさんと分かち合い、共感してもらうことで『自分だけが特別ではない』ことがわかる。とても気持ちが楽になります」。

例会が終わったあとは立ち話をしたり、時にはお茶を飲みに行ったりできないのがオンラインで残念なところ。その一方で「自宅にある思い出の品を画面に映して見てもらうといった楽しみもあります」と、赤尾さんはオンライン月例会にも積極的に参加している。

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