BMWアルピナB3「1229万円」の価値は一体何か 希少だから値引きはほぼなし、中古価格も高い

東洋経済オンライン / 2021年2月14日 7時20分

BMWアルピナは街中でもなかなかその姿を見かけることが少ない(写真:ニコルオートモビルズ合同会社)

2011年から2020年にかけてのBMWアルピナの日本への輸入台数は年間平均で244台。対するBMWブランドの平均は4万4981台である。つまりBMWアルピナは、BMWのエンブレムを掲げる乗用車のなかで、およそ200台に1台の割合でしか見つからない希少車ということになる(日本自動車輸入組合統計より)。

さらに世界的には、アルピナの生産台数は年により1500~1700台程度で推移している一方、BMWは200万台を超えた時期もあるので、わずか1%程度という計算になる。

BMW 3シリーズ・セダン各モデルの価格を俯瞰すると、318i(156馬力)の489万円に始まり、330i Mスポーツ(258馬力)が647万円、M340i xDrive(387馬力)が987万円、春に導入予定のM3コンペティション(510馬力)が1324万円~という幅広いラインナップに対し、BMWアルピナB3(462馬力)は1229万円ということで、パフォーマンスに比して法外に高額な印象も受けないし、日本全国のBMWディーラーを通じても購入可能なのだが、さほど販売台数が伸びないのはなぜなのだろうか。

■供給可能な生産台数が需要に追いついていない

理由のひとつは、アルピナの供給可能な生産台数が、需要に追いついていないためだ。

現在アルピナの最終組立工程はBMWインディビジュアル・モデルと同じ、BMW社内の特別な生産ラインでのみ実施されている。エンジンには高出力に耐える高性能冷却システム、レース技術を応用した排気システムなど少量生産の特別なパーツが投入される。

内外装についても、ブルーとグリーンのアルピナ専用ボディカラーや、大径ながら超軽量の鍛造ホイール、「デコセット」と呼ばれるゴールドまたはシルバーのラインが定番オプションとなっており、多くの車両が皮革やステッチの色を独自に組み合わせたオーダーメイド・インテリアを備えて送り出される。

これらのカスタマイズを、アルピナに期待される品質レベルで遂行するのに必要な技術者を確保するのは容易ではないから、むやみに受注数量や生産能力を拡大することはできないのだ。

ふたつめの理由は、需給バランスの違いから、一般のBMWとはビジネスのスキームが大きく異なることだ。アルピナの場合、需要に比べ生産数が少なく、顧客も注文から納車まで半年かかるのが当然と考えている。ということは、いわゆる「吊るし」のクルマをバックヤードに抱えておく必要がなく、値引きもしなくていいことに結びつく。

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