菅首相、長男の接待疑惑「森友以上」の深刻度 不祥事が政権危機につながるボディブローに

東洋経済オンライン / 2021年2月19日 7時40分

衆議院予算委員会で答弁する菅義偉首相(写真:つのだよしお/アフロ)

ワクチン接種や森喜朗元首相の女性蔑視発言に揺れる永田町で、菅義偉首相の長男が絡んだ総務省幹部への接待疑惑が政権の新たな火種となっている。

立憲民主党など主要野党の追及に対し、菅首相は「息子は別人格」と色をなして反論。いらだちを露わにしている。

2月17日には『週刊文春』が接待時のやりとりを記録した音声をネット上に公開し、与党内では「首相の身内が絡んだスキャンダルとしては、安倍前政権での森友問題以上に深刻」(自民幹部)との声が広がっている。

■22日にも総務省幹部を処分

総務省は菅首相が副大臣と大臣を務めて以来の「菅首相の天領」(政府筋)とされる。今回の接待疑惑で国家公務員倫理法違反に問われている4人の同省幹部も、菅首相の知遇を得て出世の階段をのぼってきた人物ばかりだ。

総務省は「できる限り迅速に調査を終わらせ、ルールに則って厳しく対応する」(武田良太総務相)として、22日にも処分を決める方針だ。4幹部が懲戒処分ともなれば、「今後の総務省幹部人事も大混乱」(政府筋)となるのは必至で、菅首相の指導力も問われる。

野党側は2021年度予算案の衆院通過に絡め、さらに攻勢を強めている。人事による霞が関支配を権力の源泉としてきた菅首相にとって、身内の不祥事が国会運営にも影響することになり、「政権危機にもつながる深刻なボディブローになる」(閣僚経験者)との見方が広がる。

事の発端は、森元首相の女性蔑視発言で政界が大騒ぎになった3日、『週刊文春』が菅首相の長男・正剛氏が、現職の総務省幹部らを接待漬けにしていたことを暴露したことだった。「世襲打破」「苦労人」が売り物の菅首相にとって、事実なら手痛い身内のスキャンダルともなりかねず、政界に波紋が広がった。

『週刊文春』によると、2020年10月に東京・日本橋の高級料亭で、映像制作などの事業を手がける東北新社の二宮清隆社長らが、総務省内で次の事務次官の呼び声が高い谷脇康彦総務審議官を接待。同社が数万円の食事代を負担し、手土産やタクシーチケットも渡すなど、国家公務員倫理法違法の疑いがある接待をした。

同席した正剛氏の肩書は、同社の趣味・エンタメコミュニティ統括部長とされた。同社は都内に本社を置き、基幹事業の1つが衛星放送事業。総務省は電波法に基づき放送の許認可を行っており、同省幹部が衛星放送を手がける会社の社長らから接待を受けた事実が認定されれば、国家公務員倫理規程違反で懲戒処分の対象となる。

■総務省幹部を野党が厳しく追及

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