アフターコロナの中国で「日本車が好調」の訳 24.1%のシェアを獲得した日系メーカーの戦略

東洋経済オンライン / 2021年2月20日 12時0分

中国で販売される「C-HR」の兄弟車「IZOA(イゾア)」のEVモデル(写真:トヨタ自動車)

新型コロナウイルス感染拡大の影響で中国の新車販売は低迷した。しかし、日本車は低燃費や信頼性などの優位性で人気を博しており、中国における日本車の販売台数は2020年に2年連続となる500万台超を達成した。

トヨタ自動車の中国販売台数は、前年比10.9%増の179.7万台で、8年連続で過去最高に。ホンダは4.7%増の162.6万台で、市場の回復に支えられて大きく盛り返したのだ。

日本車の販売が好調である要因は、果たして何であろうか。そして、今の勢いがいつまで続くのか。中国における日本車の動向には、日系サプライヤーをはじめ自動車業界から強い関心が寄せられている。今回は、日系メーカーの中国市場における現状をお伝えしよう。

■新車市場の回復が鮮明

2020年の中国新車販売は2531万台となり、3年連続で前年を下回った。しかし、マイナス幅は前年比で1.9%にとどまっている。

新型コロナウイルスの影響から2020年の春先に販売は大きく落ち込んだが、景気回復や消費促進政策の効果などにより、新車販売が予想以上の回復を示しているのだ。

内訳を見ていくと、商用車は前年比18%増の520万台となっている。特に大型トラックは前年比38%増と、大幅な伸びを見せた。排ガス基準「国3」以下の車両への環境規制、過積載車両への取り締まり強化、インフラ建設事業の増加などが好調な要因として挙げられる。

また、EV(電気自動車)を中心とするNEV(新能源車=新エネルギー車)市場では、地方政府の補助金政策や農村部における販売促進キャンぺーンなどの後押しにより、前年比約5%増の130万台となり、過去最高を更新した。

一方で、乗用車市場は前年比6%減となり、特にセダンは前年比10%減と落ち込みが目立つ。すでにアフターコロナとなった中国では、交通機関の利用による感染リスクを考慮し、家族の移動に人気のSUV(多目的スポーツ車)の需要が増加しているのだ。これにより2020年のSUVの販売台数は950万台となり、はじめてセダンを上回った。

中国の都市部では、買い替え需要の増加に伴い、クルマの優劣を客観的に判断する消費者が増えている。

韓国系の現代(ヒュンダイ)や起亜(キア)は低価格車を差別化の武器として、長年中国乗用車市場上位を維持してきたものの、消費者の嗜好変化やブランド力の低下などを受け、2016年以降の販売台数は大きく減少している。

フランス系メーカーのルノーは中国の乗用車事業から撤退し、PSA(プジョーシトロエン)も現地向けモデルの投入遅れなどにより、低迷している。韓国系とフランス系の2020年新車販売は、市場シェアの低下分から試算すると、2017年比で約160万台の減少となる。

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