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第2の同盟「日豪」協調がますます求められる訳 ともにインド太平洋フュージョンを深めよ

東洋経済オンライン / 2021年2月22日 8時30分

日本にとってオーストラリアとの戦略的関係の重要性が一段と増している(写真:Brent Lewin/Bloomberg)

米中貿易戦争により幕を開けた、国家が地政学的な目的のために経済を手段として使う「地経学」の時代。

独立したグローバルなシンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)」の専門家が、コロナウイルス後の国際政治と世界経済の新たな潮流の兆しをいち早く見つけ、その地政学的かつ地経学的重要性を考察し、日本の国益と戦略にとっての意味合いを、順次配信していく。

■オーストラリアと戦略パートナー関係の構築を

戦後、日本はアメリカを唯一の同盟国としてきた。日米同盟は、日本の外交と安全保障にとって最大の資産となったし、いまもそうである。

そのアメリカが現在、国内政治の分断と中国の挑戦によって大きな曲がり角に立ち至っている。日本には、アジア太平洋におけるアメリカの再参画を促し、日米同盟の抑止力を高めるため、さらに積極的な役割が求められる。その際、オーストラリアを第2の同盟国とみなし、全面的な戦略パートナーの関係を構築するのが望ましい。それは日豪双方のプラスになるうえ、日米豪の協調をさらに深める意味からもプラスとなるだろう。

日豪両国はいま、巨大な共通の挑戦にさらされている。一方で、中国の「海への戦略的意思」の誇示と攻勢、非自由主義的な軍民融合イノベーションによる監視国家モデルの推進、地政学的目的のために経済を武器化する経済強制、そしてアジア太平洋における排他的な勢力圏の拡大がある。

他方で、アメリカの相対的衰退と威信の低下、「アメリカ・ファースト」的心情の沈殿と内向きの潮流、政治、社会の分断とポピュリズムの噴出がある。そして、バイデン政権になっても基本的には変わらないであろう米中対立の状況の中で、日豪は、中国との経済関係を維持しつつ、アジアにおける多角的な経済・貿易の枠組み作りにアメリカが再び参画するよう環境をつくり、そして、ともにアメリカの同盟国として中国に対する抑止力を高め、安全保障協力を一段と強化する必要に迫られている。中国に対してワン・ボイスで臨むためには、日米豪の戦略対話がこれまで以上に必要となっている。

日豪はACSA(物品役務相互提供協定)、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)、防衛装備品・技術移転協定を結び、2プラス2(外務・防衛閣僚会合)を行っている。日米同盟のような条約に基づく同盟関係ではないが、いわば準同盟的な関係を持つパートナーである。日本にとっては、イギリス、カナダ、フランス、インドもこのような準同盟国であるが、日豪両政府は昨年11月、相手国を訪問する兵士の刑事裁判権を含む法的地位を明確にする日豪円滑化協定(Reciprocal Access Agreement=RAA)で大筋合意し、さらに関係を深めている。これによって両国部隊間の相互運用性を改善することが期待されている。

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