バーニーズ「日本1号店」撤退が示す深刻課題 セブングループの中での立ち位置も見えない

東洋経済オンライン / 2021年2月27日 8時0分

約30年余りの歴史に幕を閉じる「バーニーズ ニューヨーク新宿店」(記者撮影)

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「THANK YOU SHINJUKU」――。2月下旬の休日、新宿3丁目の繁華街に店を構える「バーニーズ ニューヨーク新宿店」のショーウィンドーには、閉店を知らせるメッセージが掲げられていた。店内には「店頭セール価格より50%~40%オフ」と書かれたポップが随所に目立つ。緊急事態宣言下でも、低層階は最終処分セールを目当てに訪れたとみられる顧客で混み合っていた。

2月28日、新宿店は30年余りの歴史に幕を閉じる。日本1号店として開業したのは1990年。地下1階・地上9階の10フロアにまたがる大型店で、国内でのブランドイメージの発信拠点としての役割を担ってきた。

■バーニーズの親会社はセブン&アイ

撤退の背景には、新型コロナウイルス禍で売り上げの低迷に拍車が掛かり、入居ビルの賃貸借の更新時期が重なったことがある。運営するバーニーズジャパンは銀座店や横浜店などの旗艦店5店、アウトレット店5店の計10店を展開する(今回閉店する新宿店を除く)。親会社であるセブン&アイ・ホールディングス(セブン)によると、直近で他店の閉店の予定はないという。

アメリカのバーニーズ ニューヨークが販売不振から、1996年に続く2度目の経営破綻に追い込まれたのは、2019年8月のこと。本国との資本関係はないものの、日本事業を展開するバーニーズジャパンもコロナ禍以前から苦戦が目立っていた。それだけにアパレル業界内で今回の新宿店撤退は、大きな驚きもなく受け止められている。

バーニーズジャパンは、アメリカのバーニーズ ニューヨークとライセンス契約を結んだ伊勢丹が1989年に設立した。伊勢丹は百貨店事業に経営資源を集中させるため、全株式をファンドと住友商事に売却。2014年にはセブンが49%の株式を取得し、2015年2月に完全子会社化した。

決算公告をみると、セブンが完全子会社化した直後の2015年度は売上高217億円、営業利益6.7億円といずれも過去最高を更新。だが、2016年度以降は右肩下がり。2018年度以降は2期連続で営業赤字に陥っており、コロナ禍で2020年度はさらに業績が悪化する可能性が高そうだ。

不振の背景には、衣料品を取り巻く消費環境の変化の影響がある。高級セレクトショップのバーニーズが強みとする高価格帯のフォーマルな紳士服や婦人服は、職場の装いやトレンドのカジュアル化のあおりをもろに受け、需要の減少が著しい。さらにアパレル業界関係者は「4~5年程前からネット通販でブランド商品の並行輸入品を安く買う消費者が増え、セレクト業態では高価格帯の買い付け商品の売れ行きが落ちた」とも漏らす。

■若い顧客の開拓も進まず

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