東芝vsモノ言う株主、再び激突する深刻事情 アクティビスト側の助言役に大物弁護士も

東洋経済オンライン / 2021年3月2日 7時30分

2020年7月の株主総会では薄氷の信任だった東芝の車谷暢昭社長兼CEO(写真は2019年5月、撮影:大澤誠)

東芝と「モノ言う株主」が再び激突する。

東芝は3月18日、都内で臨時株主総会を開催する。シンガポールの投資ファンドで筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントと、アメリカのヘッジファンドで第2位株主とみられるファラロン・キャピタルがそれぞれ、株主総会の開催を求めていたためだ。

エフィッシモは、2020年7月の定時株主総会が公正に運営されたかどうかを調査するために弁護士などの選任を要求している。またファラロンは、東芝が成長戦略を変更したと指摘し、変更するなら株主総会での承認が必要である旨を訴えている。

■昨年夏に続いての衝突

これに対し、東芝は2月17日、取締役会が全会一致で両株主の提案に反対決議したことを公表。3月3日には株主への総会通知を発送する予定で、東芝と大株主それぞれによる、株主の支持を求めるつばぜり合いが激しくなっていく。

東芝とエフィッシモは2020年7月の定時株主総会でも対立した。エフィッシモはガバナンス強化などを求めて、取締役にエフィッシモの今井陽一郎氏ら3人を選任するよう要求していた。

だが、東芝は取締役選任案に反対を表明し、エフィッシモ案は総会で否決された。ただ、東芝の車谷暢昭社長兼CEOの賛成比率は57・20%にとどまるなど、薄氷の信任だったことは否めない。

エフィッシモは、旧村上ファンドを率いた旧通産省出身の村上世彰氏がニッポン放送株のインサイダー事件で逮捕された際、村上氏と袂を分かつ形で部下だった今井氏ら3人が2006年に設立した。コーポレート・ガバナンスに問題のある割安企業などに狙いを定めている。

前回総会でエフィッシモ側の法務アドバイザーを引き受けたのが、弁護士の國廣正氏だ。旧山一証券の社内調査委員会で経営責任を追及するなど、ガバナンス問題で日本を代表する第一人者だ。

そんな大物弁護士が、「ハゲタカファンド」と揶揄されたことがあるエフィッシモ側についたことは異例なことだった。今回はアドバイザー契約を結んでいないが、エフィッシモ側に助言をしているようだ。

■議決権行使結果の集計に疑問符

國廣氏は2月の東洋経済の取材に対し、「エフィッシモとは個別に1時間程度のミーティングを3回程度やってアドバイスもした」と明かす。そのうえで、「東芝の2020年7月の株主総会はいろいろと問題があるのは明らかだ。独立した外部の第三者委員会でしっかり調査すべきだ。なぜそうしたことができないのか」と疑問を呈する。

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