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「鬼滅の刃」大ヒット支えた日本人の新しい信仰 「好きなことして生きていく」の次に来る価値観

東洋経済オンライン / 2021年3月20日 12時0分

『鬼滅の刃』大ヒットの裏に読める「価値観の変化」とは、どのようなものでしょうか?(撮影:今井康一)

「社会人になってから長い間『暗黒時代』が続きました。そこから抜け出せたのは、『生きる知恵としてのマーケティング』のおかげです」

数々のグローバル企業でマーケターとして活躍している井上大輔氏は、自らの経験を振り返って語る。

「マーケティングのエッセンスを『生きる知恵』として人生に活かせば、仕事・キャリア・プライベートのすべてで『求められる人』になれると気づいたんです」

そんな「生きる知恵」を解説する書籍『マーケターのように生きろ:「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』を上梓した井上氏は、「昭和までの全体主義」「平成の個人主義」に続く「新しい価値観」が萌芽しているという。「マーケターのような生き方」とも言えるその価値観を解説してもらった。

■『鬼滅の刃』大ヒットの裏にある「価値観の変化」とは

国民的な大ヒットとなった『鬼滅の刃』ですが、プロトタイプにあたる『鬼殺の流』では、別のキャラクターが主人公だったことをご存じでしょうか。

その後、さまざまな考察を経て最終的に「竈門炭治郎」が世界の中心にすえられたのだと思いますが、往年の少年ジャンプファンの目には、この主人公は少し異色に映ります。

これまでのジャンプ漫画であれば、主人公は型破りながら愛嬌があり、どこか奇跡を起こしてくれそうな「我妻善逸」でしょう。『スラムダンク』で言うと「桜木花道」です。

対して炭治郎は、常識人で思いやりがあり、チームのために奉仕する従来の名脇役タイプです。同じく『スラムダンク』で言うと、「木暮先輩」でしょうか。

この炭治郎のキャラクター設定は、しかしこの令和の時代を見事に写し出しています。その裏にあるのは「日本人の新しい信仰」なのです。

日本人は無宗教だと言われます。NHKが2018年に行った調査によると、実に62%の人が「信仰する宗教がない」と答えています。

世界最大の統計データプラットフォーム、statistaの調べによると、アメリカでは信仰する宗教がないと答えた人の割合が2020年現在で約20%です。ソースが違うので単純比較はできませんが、信仰する宗教がないという人の割合は、実際に日本ではかなり高いことがわかります。

しかし、日本人は本当に何も信仰していないのでしょうか? 日本人が書いた世界的ベストセラーの元祖とも言える、新渡戸稲造の『武士道』には、本来文字どおり「武士の道徳」だった武士道が、階級を超えて広く日本人に尊ばれる宗教のようなものになっていった過程が記されています。

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