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物価目標2%、景気拡大でも日本は達成できない 元理事・門間一夫氏に聞く金融政策のゆくえ

東洋経済オンライン / 2021年3月26日 7時10分

日米欧の中央銀行は金融政策の舵取りに苦心している。写真は日本銀行の外観(撮影:今井康一)

日本銀行は3月19日の金融政策決定会合で、「金融緩和の点検」を公表した。また、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は3月16日~17日のFOMC(連邦公開市場委員会)で現状の金融緩和を当面継続する方針を明らかにした。

日米の中央銀行が金融緩和を続ける姿勢を強調する中、アメリカの株式市場はダウ平均株価で3万ドルを超え、為替市場も円安ドル高の基調が続いている。

今後の金融政策やマーケットをどう見通すのか。日本銀行の元理事で、現在みずほ総合研究所のエグゼクティブエコノミストを務める門間一夫氏に聞いた。

■ETF購入の修正はよい判断だった

――3月19日に日本銀行が発表した「金融緩和の点検」について、どのように評価していますか。

2020年12月の決定会合で点検するという方針が決められ、その後の日銀首脳部の発言もあって方向性はある程度事前に予想されていた。(内容に)特に驚きはない。

点検の最大の目的はETF(株式指数連動型上場投資信託)買い入れの修正だった。日銀は今や(公的年金積立金を運用する)GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)以上に日本株を保有する「最大の株主」になってしまっている。中央銀行が最大株主という異常な状態をこれ以上悪化させないように、ETF購入をできるだけ絞ろうというのが日銀の考えだ。

それで今回、原則として年6兆円購入する方針をやめ、今後は必要な場合だけ買うようにした。株式市場が普通に機能しているときには原則買わないということであり、非常によい判断だと評価している。

――長期金利の変動幅の明確化や、マイナス金利の深掘り時に備えた貸出促進付利制度の創設なども発表されました。

今回の点検の重要性で言えば、全体の90%はETF買い入れの修正にあった。それ以外の政策は「ついで」という感じで、ほとんど重要性はない。

長期金利については、0%プラスマイナス0.25%程度の変動を許容すると明確化したが、これまでと基本的に変化はない。金利が従来よりも多少広がって変動するかどうかは、これからのオペ(公開市場操作)の状況を見る必要がある。

マイナス金利政策についても、以前から必要があれば深掘りすると言っていたので、基本方針が変更されたわけではない。ただ、金融機関への副作用が大きすぎて深掘りはできないと市場でみられていたので、深掘りする場合に金融機関が(日銀の貸出支援制度の利用残高に応じて)一種の「補助金」をもらえる仕組みを取り入れた。深掘りの可能性に若干の信憑性を与えた形だ。

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