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党内保守派に秋波、ポスト菅狙う岸田氏の苦悩 与野党全面対決の広島再選挙は「お手並み拝見」

東洋経済オンライン / 2021年4月7日 7時40分

3月10日、菅義偉首相に提言書を提出し、記者団の質問に答える岸田文雄氏(写真:時事)

次期自民党総裁選への出馬を目指す岸田文雄前政調会長が苦闘を続けている。

2020年9月の菅義偉政権発足で無役になって以来、党内での存在感が薄れ、「ポスト菅」候補の人気番付でも下位で低迷しているからだ。

岸田氏にとっては、巨額買収による公職選挙法違反で有罪が確定した河井案里前参院議員の当選無効・失職に伴う参院広島選挙区再選挙が、当面最大の課題となる。広島は故池田勇人元首相以来、「宏池会(現岸田派)の天領」(自民長老)とされ、岸田氏の総理・総裁候補としての命運もかかる。

■注目の4.25トリプル選挙

岸田氏はここへきて敵基地攻撃能力を提起するなど保守傾斜の動きも見せている。ただ、1957年の池田派発足以来、自民党内のリベラル勢力の牙城とされてきた名門派閥・宏池会の伝統にはそぐわず、岸田派内での批判も相次ぐ。派閥領袖としての真価も問われる状況だ。

参院広島再選挙は4月8日告示・25日投開票の日程で行われる。鶏卵汚職事件での吉川貴盛・元農林水産相の議員辞職に伴う衆院北海道2区と、羽田雄一郎・前立憲民主党参院幹事長の死去に伴う参院長野選挙区の補欠選挙が同時に実施される。いわゆる「4.25トリプル選挙」として、秋までに断行される次期衆院選の試金石としても注目されている。

広島の再選挙には自民党公認で公明党が推薦する元経済産業省課長補佐の西田英範氏(39)と、立憲民主党など主要野党が推薦・支援する無所属のフリーアナウンサー、宮口治子氏(45)らが出馬する。同選挙区は2019年7月の参院選で巨額買収事件の舞台となった。与野党双方の統一候補が「政治と金の在り方」をめぐって激突する。

ただ、このトリプル選挙は自民党にとって「極めて厳しい状況での選挙戦」(自民選対)となる。北海道補選は、自民党が有権者の汚職事件への強い批判から候補擁立を見送る不戦敗を選択。長野補選も立憲民主党が故羽田氏の実弟を擁立したことで、「弔い選挙で自民候補には勝ち目がない」(同)とみられている。

だからこそ、広島再選挙の勝敗が「その後の菅首相の政局運営も左右する」(閣僚経験者)とみられている。

広島は圧倒的な保守地盤とされ、参院広島選挙区は定数2を与野党が1議席ずつ分け合ってきた。これまで自民候補が野党候補の2倍近い票を獲得しており、「本来なら負けるはずのない選挙」(自民選対)だからだ。

しかし、今回は自民分裂の果ての巨額買収事件を受けての再選挙で、自民党にとって「猛反省のうえでのみそぎの戦い」(地元県連)となる。その一方、立憲民主党は当初、4年後の改選時に現職同士が競合するとの懸念から、野党統一候補で戦うことに及び腰だったとされる。

■消えぬ前回選挙の「恨み」

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