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分断する世界で日本に求められる役割とは何か 大きく変動した日米中めぐる国際秩序の本質

東洋経済オンライン / 2021年4月20日 7時20分

8年前と今の日米関係に見られる大きな変化とは?(写真:Doug Mills/The New York Times/Bloomberg)

API(アジア・パシフィック・イニシアティブ)による「API地経学ブリーフィング」の連載「ポストコロナのメガ地経学」を開始して1年になりました。トランプ政権の登場で「世界の分断」は加速し、コロナの時代にその勢いは増しています。

分断される世界において日本に求められる役割とは何か──。API地経学ブリーフィング連載1周年として開催した、API理事長の船橋洋一氏、API地経学ブリーフィング編集長でAPI研究主幹の細谷雄一・慶應義塾大学法学部教授、API-MSFエグゼクティブ・ディレクターの神保謙・慶應義塾大学総合政策学部教授の3氏による鼎談を3回にわたり掲載します。

第1回目のテーマは「地経学の構造変動―リアリティー・チェック」です。

■アメリカ衰退論と中国覇権主義

細谷 雄一(以下、細谷):2013年2月に、第2次安倍政権発足後最初の日米首脳会談が開催されてから8年あまりが経過し、米中関係、日米関係は大きく変化しました。

2013年当時は、安倍首相(肩書はいずれも当時)の歴史修正主義がアジアの平和を壊すという批判があった一方で、オバマ政権下で米中関係は比較的安定していました。が、トランプ政権の誕生で米中関係における緊張が高まり、米中は対立を深めていきました。とりわけ、昨年5月、アメリカのポッティンジャー大統領副補佐官の演説(5月4日、バージニア大学で開催されたシンポジウムにオンラインで参加し、中国語で演説。習近平体制の言論弾圧を厳しく批判した)を振り出しに、この1年で米中はさらに対立を激化させています。

地経学の構造変動という観点から、こうした変化をどのように捉えることができるのか。変化の意味と本質はどこにあるのでしょうか。

船橋 洋一(以下、船橋):8年前と今の日米関係には大きな変化が見られます。安倍首相に対する厳しい評価もあって、2013年当時、オバマ政権は日本に対して非常に冷ややかでした。それと比較すると今の日米関係はとても良好です。

バイデン政権の日本への期待は大きく、例えば、就任前に日米安保第5条を尖閣諸島に適用すると明言したり、先日オンラインで開催されたクワッドで「自由で開かれたインド太平洋の構想」を支持したりということがありました。バイデン政権の日本への接近ぶりは顕著です。そのような状況で、4月16日からの日米首脳会談は、成功が約束されているような中で開催されました。

つまり、この8年の間で、アメリカ側からみた日本の戦略的価値が、期待も含めて非常に高まったということです。

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