1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

小学生で「ヤングケアラー」となった彼女の苦悩 「親を子育て」今も虐待後遺症や精神疾患に悩む

東洋経済オンライン / 2021年4月25日 11時0分

ヤングケアラーとして生きてきた彼女。一進一退で暮らす彼女のこれまでとは?(写真:筆者撮影)

その女性は、母親から虐待を受けて育ちました。母親自身も幼少期に虐待を受けた影響から、重度の精神疾患を抱えており、女性は小学生の頃から母親のケアをしてきたといいます。届いたメッセージには、母親の突発的な自傷行為への対応や、彼女自身も精神疾患を患ったこと、ヤングケアラーとして感じたことなどが書かれていました。

ヤングケアラーというのは「家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行う18歳未満の子ども」のことです(『ヤングケアラー 介護を担う子ども・若者の現実』より)。

一般的にヤングケアラーというと、家事や介護をするイメージが強いですが、親が精神疾患の場合は特に、家族の「感情面のケア」の負担も大きいことが調査でわかっています。

ケアラーであることは子どもにとって、どんな体験なのか? 連絡をくれた亜希さん(仮名、20代)に、11月のある朝、Zoomでお話を聞かせてもらいました。

■キレやすい母との毎日は地獄のようだった

亜希さんは、両親と妹の4人家族でした。小さい頃から、母親は「怒るとものすごく怖い」と感じていたそう。例えば彼女が6、7歳の頃には、こんなことがありました。

「視力が悪くてメガネをつくることになったんですけれど、そのとき母親が錯乱状態になっちゃって。母親自身もメガネでいじめられた経験があったせいで、たぶんいっぱいになっちゃったんです。それで私と心中しようとしたのか、私を包丁で刺そうとしたんだか、とにかく刃物をもって暴れまわっちゃって」

娘のメガネで、錯乱? 度肝を抜かれる話ですが、亜希さんにとっては、そう驚くことではなかったようです。母親は「自分が受け入れられない現実があると、急にスイッチが入り、刃物をもって暴れまわる」のが日常だったからです。子どもたちを殴る蹴るは当たり前で、寝ているときに急に耳を引っ張られたり、お風呂で突然冷水をかけられたりしたことも。刃物で流血したことも、慣れるほど「よくあった」といいます。

父親は「問題に向き合わないタイプ」でした。「父親の足音が聞こえるだけで母親がパニックになる」ので、最初は亜希さんと妹で両親が顔を合わせないように対応していましたが、亜希さんが10歳の頃から父親がアパートを借りて家を出て、そのまま現在にいたるということです。

母親自身も幼少期に自分の父親からひどい虐待を受けており、そのことを亜希さんに繰り返し語っていました。勉強中でもなんでも、つねに聞き役を求められるのは負担でしたが、「うるさい」などと言えばまた暴れだしてしまうので、「とにかくひたすら我慢」して聞き続けていたといいます。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング