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宮崎駿の人生を変えた「ある有名作家」の正体 ファンも知らない「ラピュタ主題歌」誕生秘話

東洋経済オンライン / 2021年5月1日 16時0分

あの宮崎駿監督が大きな影響を受けた作家とは?(写真:Getty/Camilla Morandi - Corbis)

世界中の映画ファンを夢中にさせる宮崎駿監督。彼が大きな影響を受けた、ある海外作家とはいったい? 評論家の呉智英氏と文学者の加藤博子氏による対談本『死と向き合う言葉:先賢たちの死生観に学ぶ』より一部抜粋・再構成してお届けする。

加藤博子(以下、加藤):サン=テグジュペリ(1900〜1944/作家・操縦士)は、貴族の息子で、幼少より飛行機に憧れて、郵便飛行士になります。第2次大戦中、偵察機の飛行士でしたが、ドイツ軍戦闘機に撃墜されたといわれています。彼は幸福な幼年時代を過ごし、貴族の誇りを胸に、人間が生きることの意味をつねに問い続けていました。

1900年代初頭にはすでに飛行機に乗っていて、緊張感と責任、そして澄んだ夜空を飛行する喜びを味わえる飛行士という仕事を、こよなく愛し、それを作品化していったのです。

呉智英(以下、呉):すごいね。俺は30歳になるまで、そもそも飛行機に乗ったことはなかった。

加藤:大空を飛んで人々の心を届けるという郵便飛行士はすばらしい仕事ですが、当時はまだ過酷な状況で、彼自身、サハラ砂漠に不時着して遭難したことがあります。そのときの体験が『星の王子さま』になるのです。

呉:そうだね。『夜間飛行』とか『戦う操縦士』とか、俺も中学時代に読みました。新潮文庫だったかな。

■お金では買えない「3つのぜいたく」

加藤:『星の王子さま』は、いろんな角度から味わうことのできる本です。著者本人が描いた絵がかわいいので、メルヘンと思われていて、読まずに遠ざけている人も多い。私も若い頃には読みませんでした。しかし扉に書かれた献辞を読み、これが深い思いの込められた本であることに気づいてから、何度か読み直していますが、読むたびに印象の変わる不思議な本です。

この世で何が大切なのかが書かれている。飛行士たちの活躍が描かれる『人間の土地』にも、この世の真のぜいたくは何かが書かれている。お金では贖えない真のぜいたく、それは3つある。使命感を抱いて人のためになす仕事、共にいることがうれしいと感じる友と過ごす時間、そして孤独に操縦して眺める澄んだ夜空。それが、この世の真のぜいたくだと。

呉:宮崎駿(1941〜/映画監督、アニメーター)は、サン=テグジュペリを尊敬している。

加藤:はい、『天空の城ラピュタ』の「君をのせて」という曲の作詞は、宮崎駿です。「あの地平線 輝くのは どこかに君をかくしているから」の「かくしているから」は、『星の王子さま』の「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているからだよ」という言葉からきています。

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