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「禁酒令」でもう極限、酒販店が上げる怨嗟の声 業界団体首脳「感染拡大は酒のせいではない!」

東洋経済オンライン / 2021年5月8日 8時0分

緊急事態宣言下で多くの居酒屋の灯りが消えた新宿・歌舞伎町(撮影:今井康一)

4月25日に東京などで発令され、5月7日に延長が決まった3度目の緊急事態宣言。

飲食業界では、酒類を提供する店に休業要請が行われるなど、これまでの時短営業よりも一段と厳しい措置が講じられた。大型商業施設への休業要請が一部緩和される延長期間においても、酒類を提供する飲食店は引き続き休業要請の対象となる。さらに飲食店への酒類持ち込みの制限も、新たに要請に追加される。

実質的な「酒類提供禁止要請」で大打撃を被るのは、飲食店だけでなく、メーカーから仕入れた酒類を飲食店などに提供する酒販店も同様だ。飲食店には協力金の支給が徐々に拡充されてきたのに対し、酒販店など卸売業者への対応はいまだ手薄で、行政の支援から取り残されている現実がある。

大手業務用酒販店約200社で構成する全国酒類業務用卸連合会(業酒連)の榎本一二会長と佐々木実会長代行に、窮状を聞いた。(インタビューは4月30日に実施)

■黒字の会社は「1社もない」

――酒販店はコロナ禍でどんな影響を受けていますか。

榎本会長(以下、榎本):2020年は業酒連に加盟している酒販店の大半で、売り上げが半減する結果となった。新型コロナウイルスの感染が拡大した3月から売り上げが急減し、緊急事態宣言発令に伴い4、5月は前年比で9割近く落ち込んだ。

そこから多少回復はしたが、2019年比で100%には到底いかない。業酒連加盟社(約200社)のなかで、2020年度を黒字で終えた会社は1社もない。

佐々木会長代行(以下、佐々木):この4月の売り上げも、2019年比で6割程度の減少が続いている。2度目の緊急事態宣言が解除された後、(時短要請が続く中でも)東京の飲食店の閉店時間は午後8時から午後9時にまで延び、多少はマシになった。だが、3度目の緊急事態宣言が発令されてからアルコール類はまったく動いていない。

――3度目の緊急事態宣言では、飲食店での酒類提供を実質禁止する要請が加わりました。

榎本:国税庁からも、(飲食店で酒の提供を禁止することを)「周知徹底しろ」という文書が(業酒連にも)送られてきている。

見方によっては、「酒屋に飲食店から酒の注文が来たら断れよ」という内容にも受け取れる。これでは(飲食店へ酒を売ることで商いをしてきた)われわれの事業の持続可能性が極めて低くなるし、存続に関わる問題だ。

コロナの感染拡大を酒のせいにしたことにも、非常に腹立たしい思いをしている。酒を飲んで騒ぐことが悪いのであって、酒そのものが悪いのではない。あまり政治の話はしたくないが、行政が自らの失政を酒のせいへと押し付けたような印象すら覚える。

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