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安倍前首相、政治の表舞台復帰に秘めた「野望」 本音は再々登板ではなく、キングメーカー狙い

東洋経済オンライン / 2021年6月12日 6時30分

5月21日、半導体戦略推進議員連盟を設立し、あいさつする安倍晋三前首相(中央、写真:時事)

菅義偉政権を揺るがすコロナ・五輪政局の混迷を横目に、安倍晋三前首相が政治の表舞台に復帰したことが、永田町に揣摩臆測を広げている。

安倍氏は4月ごろから政治活動を本格化させ、各種議員連盟の役員に次々就任する一方、テレビ出演や雑誌のインタビューなどで精力的に発信を続けている。中でも、コロナ禍に苦闘する菅首相について「(10月以降の)続投は当たり前」などと熱いエールを送ったことが、政局絡みで注目された。

菅政権が命運を懸ける東京五輪・パラリンピックについても、安倍氏は「オールジャパンで臨めば開催できる」と菅首相への全面支援を表明。「一議員として菅首相を支える」と強調している。

■残る安倍前政権の「負の遺産」

こうした安倍氏の言動を受けて、自民党内保守派からは安倍氏の再々登板に期待する声が相次ぐ。安倍氏周辺からは「最大派閥の細田派を安倍派に衣替えしてキングメーカーになる」との声が出るなど、安倍氏の存在感は増すばかりだ。

ただ、菅首相の政権運営の火種ともなっている河井克行・案里夫妻の巨額買収事件に絡む1億5000万円支出問題など、安倍前政権の負の遺産は少なくない。安倍氏が首相として決断した東京五輪の1年延期も、現状では菅首相の「大きな重荷」(官邸筋)となっている。

政界では「安倍氏が菅首相の続投を支援するのは、将来の自らへの疑惑追及を封じるためで、自民党の最高実力者としての影響力確保が狙い」(自民長老)と指摘する向きも多い。安倍氏はそうした臆測もどこ吹く風で、月刊誌のインタビューで「ポスト菅」候補に言及。自民党内では「そもそも現在の混乱と自民党政権への批判の元凶は安倍氏」(閣僚経験者)との反発も根強い。

持病の悪化を理由に2020年8月末に突然首相を退陣してから9カ月余。安倍氏は昨秋から「体調も回復した」と趣味のゴルフを再開し、各種会合にも時折顔を出していた。今春からは複数の議員連盟の顧問などを積極的に引き受け、自らの悲願とする憲法改正でも旗振り役を買って出るなど、自民党実力者としての政治活動を本格化させた。

安倍氏への批判のもとになっていた「桜を見る会」問題では、2020年暮れに安倍氏の公設第1秘書が政治資金規正法違反(不記載)で略式起訴された。これを受けて安倍氏は国会招致に応じ、「事実に反するものがあった」と国会での虚偽答弁を認め、年明け以降も謹慎状態を余儀なくされていた。

しかし、安倍氏は4月に入って自民保守系グループの議員連盟「伝統と創造の会」の顧問に就任。さらに、自民党憲法改正推進本部の最高顧問も引き受けるなど表舞台に復帰した。

■改憲論議のリード役に意欲

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