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「ウーバー」や「エアビー」が高くなり始めた事情 スタートアップの大出血ビジネスが迎えた終焉

東洋経済オンライン / 2021年6月19日 12時0分

憂慮すべき事態は、実は進歩の兆しなのかもしれない(イラスト:Joe Melhuish/The New York Times)

何年か前、ロサンゼルス出張でラッシュアワーの時間帯に配車サービスのウーバーを利用したときのことだ。それなりの距離になるので、60〜70ドルの出費は覚悟していた。

ところが、アプリに表示されたのは16ドルという仰天の激安プライス——。

「ミレニアムライフスタイル助成金の黄金期」には、よくある出来事だった。「黄金期」とは、だいたい2012年〜2020年初頭を指して私が勝手に使っている言葉だ。大都市に住む20〜30代の若者(つまりミレニアル世代)の「活動費」をシリコンバレーのベンチャーキャピタリストが静かに肩代わりしていた期間を意味する。

「助成金」のおかげで、私たちはファストファッション並みの予算で高級ブランドを身にまとうようなライフスタイルを謳歌することができた。私たちはウーバーやリフトの配車サービスを激安価格で使い倒しながら、ブルジョワ階級のようにハイヤーを乗り回した。

■請求額のかなりの部分は投資家が負担

請求額のかなりの部分はこれらの会社の投資家が負担する構図になっていた。私たちは月額9.95ドルで映画館での映画が見放題になるサービスをしゃぶりつくし、ムービーパスを倒産に追いやった。

フィットネスでは、「助成金」に支えられたスピンバイクのレッスンを私たちがガンガン利用したせいで、クラスパスが提供していた月額99ドルの無制限プランは廃止に追い込まれた。料理宅配サービスに至っては、まさに死屍累々。コスト割れの値段で提供されるグルメを私たちが楽しむ中、メープル、スプリグ、スプーンロケット、マンチェリーといったスタートアップ企業が次々につぶれていった。

こうした企業の投資家は、別に私たちの放蕩のために「助成金」を出していたわけではない。投資先のスタートアップ企業を軌道に乗せようとしていただけだ。顧客を短期間で獲得し、一気呵成に市場を支配、競争相手を押しのけ、急騰する株価が正当化される流れをつくり出そうと、ベンチャー投資家は投資先企業に大量のキャッシュを注ぎ込んだ。その軍資金が不自然な低価格や大盤振る舞いの顧客優遇といった形で利用者を潤わせてきたにすぎない。

だが、「助成金」が弾切れになったのか、はたまたコロナ禍の収束で需要が急増したためか、利用者は今、贅沢な行動には実際に「贅沢な請求書」がついて回ることに初めて気づかされつつある。

「今日、(マンハッタンの)ミッドタウンからジョン・F・ケネディ空港までウーバーを使ったら、ニューヨーク発サンフランシスコ行きのフライトと同じくらいの料金がかかった」

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