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日本人が知らぬ超難関「ミネルバ大学」破壊的凄み 世界のエリートが熱視線、ハーバード蹴る人も

東洋経済オンライン / 2021年7月2日 17時0分

ハーバード大学などを蹴って入学する人もいるミネルバ大学(写真:ミネルバ大学ホームページ)

コロナ禍で大学教育の現場にもオンライン化の波が押し寄せました。実はコロナ禍以前から、キャンパスを持たずに全授業をオンラインで行い、4年間で7都市を移動しながら学ぶ全寮制の大学として注目を集めていた大学があります。それがミネルバ大学です。世界のエリートが入学を熱望し、合格率は2%未満。アメリカのハーバード大学やスタンフォード大学などよりも難関と言われています。

これからの大学はどこへ向かうのか、ミネルバ大学はそのあり方を示す絶好の例でもあります。ミネルバ大学の実態について、新著『大学は何処へ 未来への設計』を執筆した東京大学大学院教授の吉見俊哉氏が解説します。

※本稿は『大学は何処へ 未来への設計』から一部抜粋・再構成したものです

■学費の低廉化と新しい教育法の全面展開

2010年代半ば、少人数型教育のオンライン化を徹底させることに挑戦したのが、ベン・ネルソンが創設したミネルバ大学である。同大学設立の背景にあったのは、アメリカのエリート大学の現状に対する批判だった。

まず何よりも、アメリカの大学は学費が高くなりすぎている。ネルソンらには、学費に見合う教育を学生たちは得られているのか、同水準の教育は、もっと安い学費でも可能なのではないかという疑問があった。実際、教育成果についての大学側の評価と実業界の評価には大きな乖離があった。加えて、これまで効果的な教育方法がさまざまに提案されてきたのに、それらが実行されていないという不満もあった。

アメリカのエリート大学では、高い学費のために出身階層が限定的になることに加え、留学生率も学部では決して高いわけではない。世界がこれだけグローバル化していながら、アメリカのエリート大学の学部教育は意外なほど同質的なのだ。このような大学の現状に対し、ネルソンらはミネルバ大学の学生たちに真にグローバルで多文化的な経験をさせ、そこから知的思考を深める習慣を身につけさせていこうと考えた。

学費の低廉化と新しい教育法の全面展開、そして実社会との連続的な関係形成と真に多文化的な学び──これらを同時に実現するために、ミネルバ大学はキャンパスを持たないこと、つまりオンラインを徹底させることと、少数精鋭の高度な教育を実現することを結びつけた。

オンラインで大学経営を成り立たせるだけなら多くの類似例があったし、日本ではそれを売り物にする受験予備校もある。だが、ミネルバが目指したのは、あくまでエリート大学が実践してきた以上に水準の高い少数精鋭教育をオンラインで実現することだった。

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