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1年で激変!「命令」をやめた組織で起きたこと 米海軍で屈指の潜水艦艦長が見せた圧巻の改革

東洋経済オンライン / 2021年7月5日 12時0分

リーダーが部下に命じるというやり方があまりにも大きな成功をもたらし続けてきたからこそ、それは私たちの目に魅力的に映り、やめることができないのだろう。

しかし、このモデルが発達したのは、主な仕事が肉体労働だった時代だ。物理的な作業を効率よく行わせることに主眼が置かれている。6人でこぐガレー船ならそれでも問題ないだろうが、原子力潜水艦を動かすとなればそうはいかず、想像力や自発性がすべてとなる。

■私がサンフィッシュで感じた喜び

原子力潜水艦では、技術的な専門知識がリーダーシップの基本となる。私が新人士官として初めて乗った攻撃型原子力潜水艦サンフィッシュの艦長は、その哲学を体現する人物だった。

しかし、次に就任したマーク・ペレーズ艦長は違った。大西洋に出て通常訓練をつつがなく行っていたある日のことだ。私は潜望鏡で大型商船を発見した。ソナー員がその存在を音で確かめようとしたが、通常モードの潜水艦では、音の「受信」しか認められていないため、船までの距離が正確にわからなかった。

私はソナー班の班長に、冗談めかして、アクティブ・ソナーを使って商船にピン(音)を打てばわかるじゃないか、と言った。潜水艦がピンを打つことはめったにない。

すると、ペレーズ艦長が私の横にやってきてこう言った。

「なら、やればいいじゃないか」

彼がそう言ったのは、ソナーでピンを打つには艦長の許可がいるとわかっているからだ。

私が気まずく感じているのを察して、艦長はさらにこう続けた。

「君がひと言、『艦長、訓練のためにソナーでピンを打ちます』と言えばいいじゃないか」

私は思い切って口を開いた。

「艦長、訓練のためにソナーでピンを打ちます」

艦長はひと言 「よろしい」と答えてその場を立ち去った。1人残された私は、初めて艦を動かす責任を担うことになった。

それからの30分 、ソナー室にいる全員が、代わる代わるソナーでできるあらゆる組み合わせを使ってピンを打ち、海面上で動いているものの正体を探った。ソナー員はいつもと違う操作を楽しんでいた。ソナー班の班長は、班員の訓練ができて喜んでいた。私も楽しかった。

一緒に働くチームを指揮する権力と能力が自分にあるという実感。それは私にとっての強壮剤となった。それからは、当直に就く時間を心待ちにするようになり、当直でない時間は勉強にあて、自分のチームでの訓練の新しいやり方を思い描いた。

■ウィル・ロジャーズでの挫折

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