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報徳会宇都宮病院の「入院治療」あまりに驚く実態 各種専門家から厳しい指摘、山のようなクレーム

東洋経済オンライン / 2021年7月16日 7時20分

記者会見する元宇都宮市精神科嘱託医の朝信泰昌医師(左から2人目、記者撮影)

精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で400万人を超えている。そして精神病床への入院患者数は約28万人、精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を占めるとされる(数字は2017年時点)。人口当たりで見ても世界でダントツに多いことを背景として、現場では長期入院や身体拘束など人権上の問題が山積している。日本の精神医療の抱える現実をレポートする連載の最終第13回中編。

第13回前編:「報徳会宇都宮病院に今も君臨する95歳社主の正体」(7月14日配信)

■「早期に退院させるという意思はなく」

「基本的に治療を目的としているとは思えない。生活保護患者に入院治療を行い早期に退院させるという意思はなく、できるだけ長期に、それこそ亡くなるまで収容することのみに専心していると考えられる」

2020年7月、宇都宮市内のある精神科病院が、入院患者に不適切な医療行為をしているとして、同市の元精神科嘱託医の朝信泰昌医師が、国と県、市に対して、同院への立入検査を求める申出書を提出した。

「実態を自分の目で確認した結果、医師法、医療法、精神保健福祉法、すべてに係る重大な疑義および違反事項が、多くの症例で認められた」。申出書提出後に栃木県庁で記者会見を行った朝信医師は、こう語気を強めて訴えた。

記者会見の場では名前は伏せられたが、この宇都宮市内の精神科病院とは、報徳会宇都宮病院のことである。

朝信医師は2019年3月まで、宇都宮市の生活保護医療審査嘱託医を務めていた。嘱託医は生活保護受給者が受けている医療行為について市に助言するのが役割だ。朝信医師が最初に同院に対して強い違和感を覚えたのは、2015年3月、同市の生活保護法に基づく個別指導に、嘱託医として同行した際のことだった。

「認知症の診断を受けながら、認知症薬による治療および、長谷川式などの認知症の診断に必要な検査が、まったく行われていなかった。驚いて主治医に確認しようとしたが出てこなかった。代わりに医師でもない病院職員が指摘事項を認めず強く反発し、認知症検査および治療等の改善の意思は、まったく認められなかった」(朝信医師)

嘱託医として「病名診断においてはやはり検査と治療が必要である」という至極当然の指摘をし、「市から病院に対して厳重な指導がされるだろう」(朝信医師)とばかり思っていたが、市が文書による指導を行わなかったと知り仰天した。

その後も市に対して同院の違法性を訴え続けた結果、ようやく3年後の2018年7月、再度の個別指導が実施された。

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