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林氏出馬で勃発、「二階vs岸田」代理戦の複雑怪奇 現職・河村建夫元官房長官と保守分裂選挙へ

東洋経済オンライン / 2021年7月21日 6時0分

7月15日、山口県宇部市で記者会見に臨む林芳正・元文部科学相(中央、写真:時事)

元文部科学相の林芳正氏(60)=参院山口選挙区=が、次期衆院選で山口3区(山口県宇部市、萩市など)へのくら替え出馬を表明し、自民党内にざわめきが広がっている。

山口3区の現職は河村建夫元官房長官(78)。林氏は岸田派座長、河村氏は二階派会長代行とどちらも派閥のナンバー2であり、両派を巻き込んだ保守分裂選挙への突入が必至の情勢になっている。

秋までに必ず実施される次期衆院選に向け、自民党内ではすでに10前後の小選挙区での公認争いが激化している。中でも山口3区は、衆院選と同時進行ともなる党総裁選への出馬に意欲を示す岸田文雄前政調会長と、自民党最高実力者の二階俊博幹事長の「代理戦争」の構図となり、最大の注目区となることは確実だ。

■「首相の座」見据え、宣戦布告

林氏の出馬は「数年前から周到に準備された既定路線」(岸田派幹部)だったが、選挙地盤をめぐる林、河村両陣営の深い因縁が事態をさらに複雑にしている。「首相を目指すためのラストチャンス」と意気込む林氏と、当選後の衆院議長就任を狙う河村氏との戦いは「まさに、引くに引けない果たし合い」(自民幹部)となっている。

「この国のかじ取りをしていくため、衆院議員へのくら替えというハードルを越えなくてはいけない」。林氏は7月15日、山口県宇部市での記者会見で、河村陣営に向けて高らかに宣戦布告した。もちろん「ハードルの先に見据えるのは首相の座」(側近)だ。

これに対し、河村氏もすぐさま「党公認として議席を守る使命感に燃えている」と応戦。同氏の後ろ盾となる二階氏が率いる二階派も同日の定例会合で河村氏の支援を確認し、「全面戦争だ」(幹部)と気勢を上げた。

緊迫する地元では、林氏の出馬表明に合わせる形で山口県議会の自民会派が「林氏支持」の連判状を作成。林陣営は「地元はすべて林応援団だ」と鼻息が荒い。これに対し、「売られたケンカは買う」と言い放った二階氏は、林氏の自民党除名もちらつかせて脅しをかけるが、林氏は離党して無所属での出馬も辞さない構えだ。

林氏と河村氏はともに政治家の家系で、林家の地元は下関市、河村家は萩市と近接している。両氏の因縁は、河村氏が初めて衆院当選を果たした1990年にさかのぼる。河村氏が出馬した旧山口1区(定数4)は安倍晋三前首相の父親の晋太郎元外相、林氏の父親の義郎元蔵相が現職で、河村氏を含めた自民3氏がしのぎを削っていた。

そこで当選した河村氏は、最後の中選挙区選挙となった1993年も晋太郎氏の後を継いだ安倍前首相、林義郎氏とともに連続当選。小選挙比例代表並立制導入で旧山口1区が山口3区と4区に分けられた次の1996年は、3区は河村氏、4区は安倍氏が公認候補となり、林義郎氏は比例中国ブロックへの転出を余儀なくされた。

■くら替え出馬は「最後のチャンス」に

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