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日経平均株価が3万円回復に苦戦する2つの理由 これから再浮上するための重要なカギは何か

東洋経済オンライン / 2021年8月4日 20時30分

これは「インフレ率の割に長期金利が低すぎる」というよりは「債券市場参加者(長期金利)がインフレ率低下を確信している」と読むのが自然と考えられる。インフレに関しては、やや長い目でみれば、賃金上昇を通じてパンデミック発生前よりも高い伸びが続く可能性があるものの、多くの投資家はFEDと同様、一時的現象と判断していると思われる。

直近の高インフレは一部の品目に上昇が集中しており、それらを除くとインフレの基調はさほど強くないという事実が広く知られている。また台風の目となっている中古車については、先行指標(2~4カ月程度先行)のマンハイム中古車価格指数の上昇モメンタムが鈍化し、CPIベースの価格低下を示唆している。それに加えて7月以降はこれまでCPIの前年比上昇率を押し上げてきたベースエフェクト(比較対象となる前年の値が低かったことで当年度の前年比伸び率が高く出る)も解消に向かう。10年債金利とCPIの関係性が崩れるのは自然と言える。

■リバウンド一巡を織り込んでいる可能性も

となると、債券市場参加者は、現在観察されている力強いリバウンドが一時的に終わり、結果としてFEDの利上げ必要性が低下するというシナリオを描いている可能性がある。足元で、将来の政策金利見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)金利が低下基調にあるのは、連続利上げシナリオに疑問を呈する投資家が増加しつつあることを映じていると考えられる。

またここへ来て長短金利差は多くの年限間で縮小傾向にあり、例えば5年10年は足元で急激に縮小している。21年3月には80bp(ベーシスポイント=0.01%)程度(5年金利0.9%程度、10年金利1.7%程度)まで拡大した後、現在は60bp(5年金利0.7%程度、10年金利1.3%程度)まで縮小している。

一般的に長短金利差は景気回復の初期局面で拡大し、終盤にかけて縮小する傾向があることを踏まえると、最近の縮小は景気拡大期待の一服を映じていると考えることもできる。中期ゾーンの金利(5年)が、2023年に2回とするFEDの利上げ計画(ドットチャート)を意識する一方、長期金利(10年)は利上げに伴う景気減速を織り込んでいるのではないか。

一方、アメリカ国外の要因として中国の景気減速を織り込んでいる面もあるだろう。中国経済あるいは世界経済の先行指標として有用なクレジットインパルス(中国国内の与信伸び率と経済成長率の比)は昨年秋にピークアウトした後、急低下し景気減速を示唆している。クレジットインパルスは、中国当局の政策態度を示す指標として知られ、その低下は景気刺激策が消極化していることを示す。

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