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「いつかは無料」が覆された高速料金のこれから 五輪中「首都高1000円上乗せ」は序の口なのか

東洋経済オンライン / 2021年8月23日 11時0分

ロードプライシングは海外でも行われているが、中心部へのクルマの流入を課金によって制限し、公共交通機関に利用者を誘導する施策が中心だ。

もちろん、渋滞区間の利用車両の分散化は必要な施策ではあるが、いま国土交通省が考えているのは、渋滞時間における通行料金の値上げであり、その時間にどうしても利用しなければならない人にとっては、コスト増につながる。

渋滞が緩和されるからといってその値上げを受け入れてもらうには、さまざまな配慮が必要であろう。

仮に土日の夕方に値上げされるとすると、東京湾アクアラインを通勤に使っている筆者が休日出勤した場合、帰りはその時間を別の道路に迂回することもしづらく、結果として支出の増加になる。

生活上、その時間帯に利用せざるをえない人にとっては、渋滞の緩和というメリットを差し引いても、簡単には受け入れられない可能性があるだろう。

■高速道路の無料開放も先送りに

首都高は現在、激変緩和措置として行っている普通車の上限1320円を、来年4月から1950円に引き上げるなど、料金改定の方針を発表している。

この金額もまだ暫定措置であり、最終的に激変緩和措置がすべて撤廃されれば、首都高の最高料金は3000円近くになるだろう。ほかの有料道路との料金の整合性はとれるかもしれないが、一部の利用者にとっては大幅な値上がりになる。影響も大きいであろう。

こうした中で7月下旬、国土交通省の有識者会議「国土幹線道路部会」が、中間答申案として「高速道路では今後、弾力的な料金施策を行うとともに、2065年までに高速道路を無料にする」という従来の方針を撤回し、「年限を定めない」という案をまとめた。

「いつかは無料」と考えられていた高速道路は「いつまでも有料」かもしれない、と考え方を変えなければならないほどの大きな方向転換である。

高速道路の料金については、無料の国もあれば有料の国もある。永年無料が売り物だったドイツのアウトバーンは、1995年から「道路に負荷がかかるという理由」から大型トラックなどで有料化が実施された。環境整備のためのやむをえない理由だといえるだろう。

高速道路は基本的な社会インフラだという視点からは「無料が望ましい」との意見が出るのは当然である。しかし、日本は国土が狭く、保有台数も2021年5月末のデータで約8228万台(自動車検査登録情報協会調べ)と多いことから、高速道路を無料にすれば、クルマが殺到し渋滞が増すことは容易に想像される。

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