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2学期「子どもの感染拡大防止」に欠かせない視点 デルタ株で重症化の例も、ワクチン接種は有効か

東洋経済オンライン / 2021年8月29日 8時0分

子どもとその親を守るために必要なことは? (写真:sasaki106/PIXTA)

9月からの新学期を控え、「子どもたちを、学校に行かせても大丈夫でしょうか」と質問されることが増えた。この回答は難しい。感染のリスク低減と教育機会の喪失はトレードオフの関係にあり、一概には言えないからだ。最終的には生徒と保護者、さらに教員たちで決めるしかないが、最新の研究を踏まえ、やりようはある。本稿で論じたい。

新型コロナウイルス(以下、コロナ)の第5波では、子どもの感染が拡大している。デルタ株の蔓延が原因だ。8月20日、読売新聞は「厚生労働省によると、全国で今月12~18日の1週間に感染が確認された20歳未満は2万2960人にのぼり、第4波で最多だった5347人(5月13~19日)の4倍超に増えた」と報じている。

子どもの感染が拡大しているのは、日本に限った話ではない。アメリカでも急増している。8月5日までの1週間で、子どもの新規感染者は約9万4000人で、直近で最低だった6月24日の週の11倍だ。子どもの感染は全体の15%を占める。

ただ、これは過小評価の可能性が高い。8月17日、カナダの医師たちは、2020年3月から12月にカナダのオンタリオ州で実施されたすべてのPCR検査の結果を用いて、年齢層毎の感染率の違いに検査の頻度が、どの程度、影響しているか調べた。詳細は省略するが、10歳以下と80歳以上で検査が少なく、多くの無症状感染者を見落としていると結論している。小児の感染は、われわれが考えているよりはるかに多い。

■重症化する子どもも

さらに厄介なのは、重症化する子どもが増えたことだ。前出の読売新聞の記事でも「20歳未満の死者は確認されていないが、都内では7月、10歳未満の女児2人が重症となったことも確認された」と報じているし、8月14日、アメリカでは小児のコロナ患者の入院が1902人に増え、アメリカにおけるコロナ入院の2.4%を占めたことが大きく報じられた。アメリカの小児科学会で会長を務めたサリー・ゴザ氏は、「目下のコロナ感染は昨年とは別物」とコメントしている。

「別物」である理由は、感染の主体がデルタ株だからだ。デルタ株は感染力が強く、小児にも感染する。これが、世界で子どもの感染が拡大している理由だ。子ども同士でも感染する。8月25日の毎日新聞の記事によると、8月19日現在、全国の165の保育園などの施設が臨時休園となっており、1カ月前の4倍だ。

小児の感染動態についても、研究が進んでいる。8月16日、カナダの公衆衛生当局がアメリカの『医師会誌小児科版』に発表した研究によると、小児の感染を確認した6280世帯のうち、1717世帯(27.3%)で2次感染が確認された。周囲にうつしやすいのは0~3歳児で、14~17歳と比較した場合の感染拡大リスクは1.43倍だった。なぜ、この年代の感染者が、周囲にうつしやすいのかは現時点ではわからない。

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