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2学期「子どもの感染拡大防止」に欠かせない視点 デルタ株で重症化の例も、ワクチン接種は有効か

東洋経済オンライン / 2021年8月29日 8時0分

検査と並ぶ重要な対策がワクチン接種だ。デルタ波に対しては、ワクチンを打っても感染は完全には予防できない。このことを世界が思い知ったのは、7月初旬に、アメリカで開催された独立記念日のイベントで469人の集団感染が発生したときだ。特記すべきは、346人が接種を済ませていて、彼らが排出するウイルス量が、接種者と大差なかったことだ。ワクチンを打っても、デルタ株には感染するし、周囲にもうつしてしまう。集団免疫戦略は見直されることになった。

だが、ワクチンの意味がなくなったかと言えば、そんなことはない。ワクチンを打てば、重症化は予防できるからだ。イスラエルの報告によると、60歳以上の未接種者の重症例は10万人当たり85.6人だが、接種完了者は16.3人と、81%減少している。これは、日本の医師の感覚とも一致する。

アメリカの政府系機関や民間企業などでワクチン接種の義務化が進んでいるのは、集団免疫のためではない。個人を守るためだ。カナダ連邦政府も接種を義務化したし、ギリシャでは未接種者の就労を制限する方向で調整が進んでいる。

■アメリカ、イスラエルなどは12歳以上へワクチン接種

子どもも例外ではない。CDCは、5月12日に12~15歳に対して、ワクチン接種を勧告し、6月21日、イスラエル政府もそれに倣った。その前日に、日本では文科省が、接種への同調圧力を恐れて、学校での集団接種を推奨しないと発表したのとは対照的だ。判断の基準がワクチンの効果や安全性でないのが日本らしい。その後、遅ればせながら、8月16日にはドイツも12~17歳の全員にワクチン接種を推奨した。

もちろん、子どもへの接種には懸念もある。それは安全性だ。将来がある子どもたちへの接種は慎重でなければならない。現在、どの程度までリスクがわかっているのだろうか。結論からいうと、かなり安全だが、リスクは否定できない。

臨床医学では、医薬品の安全性・有効性は臨床試験で検証する。ワクチンも例外ではない。ファイザー製のコロナワクチンの場合、12~15歳の小児を対象とした臨床試験の結果が、5月27日にアメリカの『ニューイングランド医学誌(NEJM)』で報告されている。『NEJM』は世界最高峰の医学誌だ。

この臨床試験では、小児2260人がワクチン群とプラセボ群にランダムに割り付けられ、効果および安全性が評価されている。ちなみに投与量は成人と同じ30μg(マイクログラム)だ。発達途上の12~15歳に、成人と同量のワクチンを打てば過量になるかもしれないという懸念があった。

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