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「塾ゼロ中学受験」母子家庭の少女が直面した現実 母子家庭で地方在住、というハンデを抱え…

東洋経済オンライン / 2021年9月1日 12時0分

「姉が全部見てくれました。姉がいなければ、中学受験はできなかったと思います」(茜さん)

塾に通ったことなどないため、小さい頃から塾に行っていた子と比べて、要領よく勉強するということも身についていない。そこで、勉強の効率的なやり方についても明里さんが指導した。

間違えた問題には付箋をつけ、繰り返し練習できるように整理。夕食の後も毎日2時間ほど、マンツーマンでの指導を続けた。伯母は出題傾向も分析し、学習計画を練り上げてくれた。

亜矢さんのほうも弱音を吐くことはなく、果敢に問題にチャレンジした。栄養面を支えたのは、祖父母だ。毎日温かいご飯を作って応援してくれたという。

秋からは自分の立ち位置を把握するため、塾が行う模擬試験にも挑戦した。しかし、合否判定の結果は「再考」、つまり、合格する確率は極めて低いという結果だった。

学校の成績は文句無しのトップだった亜矢さん。結果を見た亜矢さんは沈黙するばかりだった。その後も、入試直前まで模試を受けたが、いずれも結果は「再考」となった。

■「再考をもらっても、受かる子は受かります」

模試を実施した塾が行う報告会には、通塾生の保護者でなくとても参加することができるため、茜さんは足を運ぶことにした。「合格圏内でも落ちる子は落ちますし、再考をもらっても、受かる子は受かります」。そう話す講師の言葉に、少し気持ちが上向きになった。

自分たちと同じようなケースはないかと、ネットの掲示板を探してみると、内申点も重視されるという情報が載っていた。内申は点数化され、持ち点となるのが一般的だ。亜矢さんは5年生のときから内申はすばらしくいい。当日の試験だけで決まるのでないのなら、チャンスはある。希望を胸に勉強を続けた。

迎えた受検当日。「いってきます!」と、緊張した様子で志望校の門をくぐった亜矢さんの背中は、一回り大きく見えたという。

「え~、亜矢ちゃん、勉強なんかしてるの~」と、ひやかされる環境にはいたくない。私は勉強が好きなんだ。好きな勉強をして何が悪い――。

そう語ることもあった亜矢さんの気迫が勝ったのか、厳しい状況の中、「合格」の2文字を勝ち取った。

■経済格差が生む教育格差

今、亜矢さんは、母親と同じ看護師の道を考え、国立の看護大への進学を考え始めているという。

「入学させてみると、会社経営者のご子息や、お医者さんのご家庭など、裕福な家庭のお子さんばかりだなという印象を受けています。わが家の場合は私の姉がつきっきりで指導をしてくれたので、なんとか進むことができたけど、もしだれの協力もなく、子どもが自力で目指していたら、とても難しかったと思います。結局、お金がある家庭の子は、よい教育を受けるチャンスも掴みやすい。世の中、理不尽ですよね……」

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