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事故物件サイト「大島てる」が明かす運営のウラ側 日本の不動産業界に与えた大きなインパクト

東洋経済オンライン / 2021年9月3日 16時0分

「事故物件サイト 大島てる」が不動産業界に与えているインパクトとは?漫画「正直不動産」の原案者である夏原武氏と、大島てる氏が語った(写真提供:小学館)

「事故物件」には曖昧な定義しかなく、不動産業者による隠ぺいや業者有利の運用がなされてきた。心理的瑕疵物件とも呼ばれ、気にする消費者にとってみれば、物件の事故履歴は看過できない大切な情報である。

そこへ救世主のように登場したのが「事故物件サイト 大島てる」。消費者や不動産事業者にとって、そのメリットとデメリットは、なんなのか。サイト管理人・大島てる氏と漫画『正直不動産』の原案者・夏原武氏が語り合った。

(取材・文 / 小野悠史 撮影 / 三輪憲亮)

■「大島てる」を悪用するケースとは?

小野悠史:「ビッグコミック」に連載中の『正直不動産』に、事故物件サイト「大島てる」が実名で登場しています。不動産事業者にうその情報を書き込まれて、悪用されてしまってますね。

大島てる:悪用されてしまうことは、実際にあるようです。「大島てる」に批判的な人が、でたらめな情報を書き込んで「簡単に悪用できてしまうサイトだ」と発信しているのを見たこともあります。

夏原:悪用は論外です。だけど、うその情報が書き込めてしまうという点は、不動産業界は特に嫌がっていますよね。書き込まれた情報を運営側でチェックしてから公開するということはしないのですか?

大島てる:いたずらや誹謗中傷の文言があると書き込めなくなるシステムを導入しています。あとはボランティアの力を借りて、明らかな虚偽を目視ではじくこともやっています。ただ、すべての裏取りをしてから掲載することは難しい。あくまで、「大島てる」は書き込める場所を提供しているだけで、発信者ではない。それがわかるように、誤字脱字をそのままにしている場合もあります。

夏原:ウィキペディアや2ちゃんねると同じ論理ですね。

大島てる:もともと、ビル賃貸をやっていた時に事故物件情報がどこにもないことから、2005年に「大島てる」を始めました。それ以来、優先しているのはサイトを維持することです。発信者にならないというのは、訴訟リスクの点から外せません。

夏原:でも、事故物件として書き込まれた側は資産価値を毀損することになるから、黙っていないでしょう?

大島てる:事実と異なるなら、削除依頼をしてもらえれば書き込みは削除します。もちろん削除しても、一度書き込まれてしまえば取り返しがつかないと主張する方もいます。ただ、私は「大島てる」に資産価値を下げるほどの影響力があると思っていません。

夏原:いや、影響力はありますよ。実際に現場で働く人は誤った情報をもとに「家賃を下げろ」とか「売買代金を返せ」とか言われて困っている。あるいは、ずっと更地だった場所が、なぜか事故物件として公開されていて買い手が付かないということもある。そもそも、事故物件の情報は取引の当事者間で開示するものだから、第三者に公表しなくていいでしょう、という声もありますよ。

■事故物件は隠蔽されてきた

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