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電通本社ビル、ヒューリックらが取得で合意へ SPCを組成、売却総額は過去最大の3000億円規模

東洋経済オンライン / 2021年9月3日 8時0分

東京・汐留の「電通本社ビル」。単体のビルとしては国内で過去最高額の取引になりそうだ(記者撮影)

広告代理店大手の電通グループが保有する東京・汐留の「電通本社ビル」を、不動産大手のヒューリックなどが出資するSPC(特別目的会社)が取得する方向で最終調整に入ったことが東洋経済の取材で明らかになった。

電通は2021年6月29日、本社ビル売却の検討に入り、購入希望者から購入意向表明書の提出を受け取ったことを発表していた。譲渡益は約890億円で、帳簿価格と合わせた価格は約2680億円。諸費用やリースバックに関する会計処理が加わり、実際の売却総額はそれ以上となる見込みだ。

売却先は当初、ヒューリック単独とみられていた。だが複数の不動産関係者によれば、電通本社ビルは信託受益権化された後、SPCに売却される。

SPCにはヒューリックを主体とする複数の投資家が出資。出資比率はヒューリックが40%~50%未満、ヒューリックも属する芙蓉グループ系列の企業が20%~30%程度、残りはグループ外の企業とみられる。

一連の売却スキームについて東洋経済は電通とヒューリックに事実関係を確認したが、両社ともに「守秘義務契約を締結しているため答えられない」と回答した。

■含みを持たせていた社長の発言

「電通が本社ビルの売却を検討している」――。2020年秋ごろより、不動産業界では噂が持ち上がっていた。

不動産ファンドの関係者によれば、電通は入札に際して幅広い参加を募る代わりに、一部の限定した不動産会社やファンドに接触したという。年末年始にかけて実施された入札には外資系不動産ファンドなどの数社が参加したが、2021年1月の段階で「ヒューリックが優先交渉権を取得した」と報じられていた。ただ、条件面で折り合いがつかなければ別の企業に優先交渉権が移ることもあるため、交渉の行く末が注目されていた。
 
買い手として社名が挙がったヒューリックは、電通本社ビル取得に関する言及を一貫して控えてきた。しかし、8月2日に開催された決算説明会では気になる一幕があった。

アナリストから電通本社ビルの取得可否について問われたヒューリックの吉留学社長は、「われわれから(電通本社ビルを取得すると)リリースした事実はない」と述べた。が、その直後に「3000億円の取引は難しい。仮にそういった物件を検討するにしても、取得資本はいろいろな検討をする必要がある」とも続けた。

収益物件の売却が牽引し、今2021年12月期も過去最高純益を見込むヒューリックだが、同社は中期的には不動産賃貸利益の拡大を志向する。6月末時点で営業利益の45%にとどまる賃貸物件から上がる利益を、2029年までに65~70%に伸ばす方針だ。銀行店舗跡地などの再開発ビルを順次竣工させ、賃料収入を積み増すほか、既存ビルの取得も加速させる。

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