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中国政府が濫用、「内政干渉」がはらむ深刻な問題 議論を封じ込め、国際社会との対話も回避

東洋経済オンライン / 2021年9月15日 9時30分

したがって欧米諸国がウイグルの人権問題や香港の民主化運動の弾圧などを非難すると、事実関係を説明して反論することができず、内政干渉という言葉を持ち出して自己防衛するしかない。

これは習近平国家主席になって始まったことではなく、1990年代に江沢民国家主席も「人権問題は本質的に各国の主権の範囲の問題で、各国がそれぞれ違う観点を持っている。人権の名を借りて他国に内政干渉をしてはならない」と述べている。欧米からの批判に対し、説明をして理解を得ることができない以上、内政干渉だとはねつけるしか方法がないのである。

次が発展途上国などを相手に外交空間を広げるための積極的な使い方だ。一帯一路政策が典型的だが、中国は潤沢な資金と労働力を武器にアジアや東欧、アフリカなどの発展途上国に活発な融資を進め、影響力を増している。

欧米諸国の経済援助は人権問題をクリアするなど厳格な基準が設けられているが、中国は相手国が独裁国家であろうが人権問題があろうが関係なく資金提供しており、途上国側からするとありがたい存在となっている。

その際、持ち出されるのが内政不干渉の原則だ。つまり中国は相手国の政権がどういう政策をやっていようが問題にしないで資金提供するというのである。

これも習近平主席になってからのことではなく、2000年代初めに温家宝首相は、アフリカ諸国の人権問題について聞かれ、「各国とは相互尊重と内政不干渉の原則を守る」と答えている。まことに都合のいい使い方であり、相手国の問題に目をつむったまま自国の影響力を拡大するという積極的な使い方である。

3つ目が領土問題などに関するかたくなな対応をするときの道具としての内政干渉である。2021年5月、日本が台湾にワクチン供給したことに対し、中国が「コロナ対策を政治ショーに利用して中国に内政干渉することは断固反対する」と批判したように、中国は自分たちの主権が及ぶとする地域に外国が関与してくると、間違いなく内政干渉を持ち出してくる。

■国際社会と対話する気のない中国

東シナ海の尖閣諸島への中国の公船の領海侵犯も、海底ガス田の開発も、さらには南シナ海のサンゴ礁の埋め立てと軍事基地建設などもすべて中国は自分たちの当然の権利であり、他国にとやかく言われることはすべて内政干渉であって認めることはできないとしている。

これらの姿勢に共通しているのは、中国には国際社会とまともな対話をする気がないということだ。習近平主席は7月の中国共産党創立100周年記念式典の演説で、「中華民族には5000年の歴史で形成した輝かしい文明がある。師匠のような偉そうな説教は絶対に受け入れない」と、アメリカなどが人権問題に口を出してくることに強く反発した。

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