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今の日本株上昇の理由と、今後の持続性を考える 経済正常化のロードマップなければ根拠は薄弱

東洋経済オンライン / 2021年9月17日 9時30分

本当に日本株は「買い」なのか(写真:時事通信)

年初来、株式市場でも為替市場でも日本回避の動きが続いており、東洋経済オンラインでも繰り返し論じた。だが、ここにきて日本株の騰勢が強まっており、9月14日には約31年ぶりの高値をつけた。日経平均株価指数は9月15日までの1週間では実に8.6%も上昇、年初来では11.2%上昇と英国FTSE(同8.6%上昇)を追い越している(下図)。

(外部配信先では図表を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

片や為替市場では名目実効為替相場(NEER)に関し円は年初来5.1%の下落とG7通貨の中では突出した弱さが続いている(下図)。筆者は債券(金利)市場と異なり、金融政策の影響が及ばない株式・為替市場では防疫政策のまずさ(の結果としての景気低迷)が嫌気され日本回避色が強まっていると考えてきたが、その基本認識を修正すべき時期に差し掛かっていると考えるべきだろうか。以下で簡単に考察したい。

■株高の2つの理由、菅退陣と感染減少

現在の株高の理由として挙げられているのは大別して2つで、①菅首相の自民党総裁選不出馬表明、②感染者数の顕著な減少傾向である。これらの妥当性と展望を検討してみたい。まず、①に関しては、日経平均株価指数は菅首相の不出馬表明のあった9月3日午後から上昇基調に入っているので、材料視されているのは間違いない。

ワクチン開発国でもなく、また開発国から地理的に離れているという条件にもかかわらず、その調達に算段をつけ、世界最速の接種ペースを実現したことは菅政権の実績である。しかし、この実績の総仕上げは行動制限解除を伴う経済正常化のロードマップを描いてこそ完結するものだったのも確かである。新型コロナウイルス感染症対策分科会と溝を深めても五輪開催に踏み切ったのであれば、そのタイミングでロードマップも示すべきだった。

国内経済の再開に関して「ワクチン接種率が高まっても油断するな」と情報発信しながら、「しかし、五輪は敢行する」という意思決定が多くの国民に矛盾と受け止められ、支持層が離反してしまったように見受けられる。日本は「ワクチン接種で出口に辿り着く」という欧米型アプローチを志向しているようでいて、実際はできていない。その戦略性の欠如に対する不快感が支持率低下の背景にあったのだろう。

■河野氏は株価の上がる候補なのか

株価の話に戻す。菅政権退陣が株高の理由ならば「新政権には相応の期待が持てる」という話に直結するはずだ。それは本当だろうか。自民党総裁選挙の行く末は河野太郎行革担当相のリードが伝えられるものの、まだ予断を許さない。また、各候補者の唱える経済政策に関しては大まかに示されているものの、不透明な部分も大きい。

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