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奥歯がない人ほど「太りやすくなる」科学的根拠 歯磨きで「出血が止まらない人」ほど要注意

東洋経済オンライン / 2021年9月20日 16時0分

なぜ奥歯がないと「肥満体型」になりやすいのか?(写真:turk_stock_photographer/iStock)

なぜ奥歯がないと、「肥満体型」や「糖尿病」になりやすいのか? 「奥歯と健康」の意外な関係を、神奈川歯科大学大学院歯学研究科教授の山本龍生氏の新書『ボケたくなければ「奥歯」は抜くな』より一部抜粋・再構成してお届けします。

20歳以上の日本人の平均の歯の保有本数は、20本未満といわれています。自分の歯が20本以上ある人の割合は、70〜74歳で63%、75〜79歳で56%、80〜84歳で44%、85歳以上で26%と、当たり前のことですが年齢を重ねるごとに減っていきます。そして、70歳以上の高齢者の5割は「奥歯が1本以上無い」というデータがあります。

■人間から奥歯を奪う「歯周病」の怖さ

奥歯を失う最大の原因は「歯周病」です。歯周病は、歯の周囲にある歯ぐきが腫れる、比較的軽度な炎症である「歯肉炎」から始まります。

歯肉炎が悪化すると、歯ぐきから膿が出て、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け出して、しまいには歯がグラついて抜けてしまいます。これが、「歯周炎」です。

歯周病の直接の原因は、歯垢(プラーク)です。歯垢とは、歯の表面に付着している細菌のかたまりのことです。口の中にいるむし歯菌などの細菌は、砂糖などの糖分を栄養にして増殖する際に、ネバネバした多糖体を放出します。それによってしっかり歯に貼り付いているため、うがいをしたくらいでは除去できません。

その歯垢の内部でむし歯菌が酸を作り出すことで、歯のエナメル質を溶かしてむし歯を作ります。歯垢にはまた、歯周病を引き起こす歯周病菌も棲みつきます。歯周病菌はむし歯菌と違って空気を嫌う性質があるので(これを嫌気性といいます)、歯と歯ぐきのすき間(歯肉溝)や歯と歯の間(歯間)など、空気が入りにくい場所に歯垢ができることで増えます。

歯周病菌が増えると、死んでいく菌も増えて、壊れた菌の一部(毒素)が歯ぐきに炎症をもたらし、歯を支えている歯槽骨を溶かします。歯を支えている歯槽骨は、破骨細胞と骨芽細胞によって破壊と再生が繰り返されています(これを骨リモデリングといいます)。歯周病菌が出す毒素は、そのうちの破骨細胞だけを活性化させてしまうために、再生が追いつかなくなり、骨が溶け出してしまうのです。

通常は、体内に入った毒素は白血球が退治(処理)してくれますが、歯周病菌が増えて処理できないほど多くの毒素が入ってくると、それが追いつかなくなるのです。

ただし、歯肉炎の段階では、きちんとしたブラッシングを行えば、元の健康な歯ぐきに戻れます。しかし、歯を支える骨が溶け始めてしまうと、ブラッシングをしても元の健康な状態にまで戻すのは困難になります。これが、奥歯を失わせる歯周病菌の怖さです。

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