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「アップルのコメディドラマ」エミー賞快挙の背景 テレビ局を抜きNetflixやディズニーと並んだ

東洋経済オンライン / 2021年9月29日 14時0分

アップルのオリジナルドラマ『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』は新作コメディーとしてエミー賞史上最多20のノミネート数を記録し、作品賞を含む7つのエミー賞を獲得した(写真:Apple TV+ )

Netflix、Amazon プライム・ビデオ、Huluなど、気づけば世の中にあふれているネット動画配信サービス。時流に乗って利用してみたいけれど、「何を見たらいいかわからない」「配信のオリジナル番組は本当に面白いの?」という読者も多いのではないでしょうか。本記事ではそんな迷える読者のために、テレビ業界に詳しい長谷川朋子氏が「今見るべきネット動画」とその魅力を解説します。

■ベストコメディーはアップル『テッド・ラッソ』

世界のテレビ番組の最高峰と称されるアメリカのプライムタイム・エミー賞の作品賞(コメディーシリーズ部門)でApple TV+(プラス)のオリジナルドラマ『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』(以下、テッド・ラッソ)が受賞したことが日本時間の9月20日に発表されました。この作品賞と併せて、主演のジェイソン・サダイキスが主演男優賞も受賞。新作コメディーシリーズとしてエミー賞の歴史を塗り替えるほどの実績を残しました。動画配信サービスから生まれたドラマが世界のテレビ業界を席捲している理由も探りながら、第73回エミー賞で注目された受賞ドラマを紹介します。

今年のエミー賞コメディーシリーズ部門のベストドラマに選ばれたApple TV+の『テッド・ラッソ』は典型的なアメリカのコメディードラマです。ジェイソン・サダイキス演じるアメフトのコーチだったアメリカ人のテッド・ラッソがイングランドのプレミアムリーグの架空のチームの監督として雇われ、「ヘタレ!」と罵倒されながらも、ユーモアと鑑識眼で仲間を増やしながらチームを立て直していくという話。

1話30分前後の楽観的なストーリー、勧善懲悪のキャラクター設定、笑わせるポイントは下ネタという意味では、ごくありふれたザッツ・アメリカン・コメディーなのですが、2020年8月にシーズン1が配信されて以降、賞レースを制覇し、支持を集めています。

では、なぜ『テッド・ラッソ』がヒットしたのでしょうか。その理由は明確です。国内外の“ヒット”ドラマに共通する要素が含まれています。1つはキャラクターの成長力にあります。主役のテッド・ラッソはもちろんのこと、仏頂面のベテランのサッカー選手も、冷徹な女チームオーナーも、誰からも名前を憶えてもらえなかった用具係も、メインからサブまでステレオタイプだったそれぞれのキャラクター像が回を重ねるごとに変化していきます。苦手意識や偏見、自分の弱点を克服していくことで、人間味が増していく姿に爽快感すら覚えます。

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