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「ルール」から見た中台のTPP加入へのハードル 台湾が有利、国有企業の存在や労働者保護など中国には高い壁

東洋経済オンライン / 2021年9月30日 7時40分

2021年9月1日、オンライン形式で開かれた閣僚級の「TPP委員会」。上段左から2人目は議長を務める西村康稔経済再生担当相。中国と台湾はこの中に入ることができるか(写真・時事通信)

2021年9月17日深夜に発表された中国のCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定)加入申請。さらに、それから1週間足らずで台湾も加入申請を行い、アメリカ不在のCPTPPの行く末は混沌としてきた。

この間、アジア太平洋の地政学的視点からこの問題についてさまざまな議論が展開されているが、CPTPPが国際協定である以上、まずは「ルールを満たせるか見極めることが必要」(西村康稔経済再生相)になる。ここで、CPTPP加入のルールと加入手続の視点から中台加入の今後を占ってみたい。

■高水準の自由化が求められるCPTPP加入

CPTPP加入手続によると、加入を希望する国(正確には「エコノミー」、つまり台湾のような独立的な関税地域も含む)は、まず「既存のルールに従うための手段」を示さなければならない。とくに加入作業部会の初回会合で、義務順守のためにあらかじめ行った「努力を証明し」、さらに自国の法令に追加的変更を特定することを求められる。

また、加入希望国は物品・サービス貿易、投資、国有企業、政府調達などにつき、「最も高い水準の市場アクセス」を提供しなければならない。また、その市場アクセスは現在のCPTPP締約国のそれぞれに「商業的に意味のある」ものでもなければならない。

このように、加入希望国は、どのように既存ルールを守れるのかを個別法令レベルで徹底して説明し、協定順守の確保を約束しなければならない。また市場開放の範囲も、関税やサービス規制だけでなく、CPTPPがカバーする多様な分野に及ぶ。確かにベトナムやマレーシア、ペルーなど途上国は多くの例外を国別の例外規定や附属書で認められているが、こうした妥協は、2015年当時、彼らが同意しなければTPP12妥結の全交渉国によるコンセンサスが形成できなかったからこそ勝ち取れた。新規加入交渉では、加入希望国はこのようなレバレッジを効かせることはできない。

社会主義市場経済体制を採用する中国については、麻生太郎財務相などがすでに疑問を呈しているとおり、このような約束には相当の困難が伴う。

まず、CPTPPは締約国に対し、国有企業の行動が政府の意向に沿ったものではなく、あくまで商業ベースで行われることを確保するように求め、非商業的な資金提供や物品・サービスの提供を通じ、国有企業が他の締約国の企業・産業に損害を与えることを禁止する。もっとも、規律の対象となる国有企業は狭く定義されており、また国有企業の業種や規模による例外や適用除外の範囲も広い。また、地方政府企業についても今のところ適用がない。

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