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岸田新首相が投資家を不安にさせる3つのリスク 目先の衆院選は乗り切っても2022年以降が怖い

東洋経済オンライン / 2021年10月2日 6時30分

今回の岸田氏は、ご本人の覚悟と勝負勘もさることながら、安倍晋三氏、麻生太郎氏、甘利明氏のいわゆる「3A」の支持を受けて選出された。野党がよく言うように「表紙を替えた」だけという面がある。岸田氏は、もともと昨年の早い時点では、安倍前首相からの「禅譲」を待っていた人だ。本来さしたる「新味」はないはずなのだが、衆議院選挙までの期間が短いことを考えると、「フレッシュな感じ」が残っているうちに投票日を迎えられそうだ。今回、自民党は「菅隠し」を成功させた。

一方、「表紙を替える」ことに効果があるなら、野党はなぜ「表紙」を替えないのか。自民党が与党に返り咲いた第2次安倍政権の最大の政治的資産は、国民に残っている「民主党政権失敗の記憶」だった。「表紙」や「目次」に相当するポジションに当時の政権幹部が居座っていて、毎度代わり映えのしない「前書き」を述べるのでは、本は売れない。普通のビジネスセンスがあればわかりそうなものだが、個々の政治家さんには、そうもいかない事情があるのだろう。

ところで、株価が動く要因は政治だけではないので、「岸田総裁のせい」とばかりは言えないが、9月29日の日経平均株価は、岸田氏の優勢がはっきりした午後から一時値下がりした。「岸田首相」よりも「河野首相」のほうが、与党にとって選挙で有利だという認識が作用したかもしれない。

当面、「再分配」を強調した給付金などの経済対策が選挙を意識して打ち出される公算が大きいし、岸田氏は、総裁選挙の終盤になって、「インフレ目標と金融緩和政策の維持」「消費税は向こう10年上げない」といった、金融市場を安心させようとする発言を重ねた。株価にとって、「岸田首相」が直ちに悪材料になることはないかもしれない。

しかし、来年以降を先読みすると、岸田政権には、投資家にとって複数の不安材料がある。3つ挙げてみよう。

【1】「財政再建」への無駄なこだわりを増税に利用されるリスク

まず、もともとの岸田氏の主張が「財政再建」寄りであることだ。今回の選挙戦では、アベノミクスの修正論を封印して戦ったが、「財政再建の旗は降ろさない」とも述べている。

今は、財政を緊縮に向かわせるときではない。無意味な旗を掲げていると、悪いタイミングで余計な増税を決めるダシに使われてしまいかねない。

■金融所得課税は「貯蓄から投資」への流れに逆行

1つの候補は、総裁選でも岸田氏が触れた金融所得課税の強化だ。高額所得者は、株式などからの所得が多いので、総所得が1億円を超えるあたりから、所得に対する実効税率が下がる傾向がある(俗に「1億円の壁」と呼ばれる)。

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