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新型シビック「6速MT」をホンダが“推す"理由 大衆車からスペシャリティへと変わるイメージ

東洋経済オンライン / 2021年10月3日 11時0分

中国では、2000年代以降の高度経済成長において、富裕層から始まり徐々に庶民層に広がったアメリカンライフスタイルへの憧れと、ホンダに対する高いブランドイメージから、「上級車」という意識を持たれている。

ヨーロッパでは、ホンダはF1を筆頭としたモータースポーツでのブランドイメージが強く、「走りがいいクルマ」というイメージが先行する。

タイなどの東南アジアでは、1サイズ大きい「アコード」と同様に「高級車」として庶民から憧れの眼差しを受ける存在だ。

では日本はというと、シビックのイメージは大きく2分されている。1つは、いまだに“大衆車”だと思い込んでいる人たちだ。

ホンダの資料では、1972年発売の初代から2000年発売の7代目までを「世界市民のベーシックカー」と位置付けている。ベーシックカーとは大衆車と同意だ。それが2005年発売の8代目からは、「ホンダを象徴するモデル」としてミドルカーに転じる。

仕向け地別でデザインやボディ形状が違うなど、シビックの商品性が大きく変わっているのだが、日本人の多くは今でも、「シビックは大衆車だ」という“刷り込み”がある。そんな刷り込みを持っている人たちは、街で最近のモデルを見かけると「これがシビックなのか……」と驚く。

また、ミニバンとSUVシフトが急激に進む日本では、シビックというモデル名が約7年間消滅していたことや、2020年に10代目セダンがハッチバックに先立ち販売終了になったこともあり、シビックは希少な存在となっているという現実もある。

一方で、シビックが辿ってきた経緯にこだわらず、素直に「シビック=カッコいいスペシャリティカー」という見方をする人たちもいる。

タイプRという究極のスポーツモデルに憧れるだけではなく、カッコよく魅力あるクルマとしてシビックを捉えている人も多いのだ。先代モデルでは、古くからシビックの名に親しんでいる40~50代のほか、20代の若いユーザーやファンも増えた。

そのうえで特徴的なのが、MT比率の高さだ。タイプRを除いても、MT比率が3割にも達している。こうした販売実績を踏まえれば、11代目にも6MTを設定するのは、当然の判断だ。11代目の初期受注では、MT比率が4割近いという。

■価格設定にも表れるシビックの戦略

グローバルでは、新型シビックにはセダンとハッチバックの2つのボディ形状があり、アメリカではエントリーモデルの2.0リッター車が2万1700ドル(約237万円)からとリーズナブルな設定だ。

対して日本仕様は、スポーティなハッチバックでターボ、しかも6MT推しで価格も300万円台の前半から半ばに設定することで「カッコいいクルマ」としての存在感を際立たせたといえる。

さらに、2022年にはハイブリッドの「e:HEV」とタイプRが登場することで、日本での新世代シビックファンの獲得を狙うようだ。2分しているシビックのイメージは、徐々に変化していくことだろう。

桃田 健史:ジャーナリスト

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