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気候変動政策への対応「トヨタ最下位」評価のなぜ 格付けした英研究機関の共同創設者に聞く

東洋経済オンライン / 2021年10月9日 7時0分

「パリ協定」に対する立ち位置で低い評価を下されたトヨタ(写真:Toru Hanai/Bloomberg)

脱炭素社会に向けて、2050年までにCO2(二酸化炭素)を排出実質ゼロにする――。昨年10月、菅義偉首相(当時)が国会の所信表明演説で示した政府の方針に自動車業界が揺れている。

「一部の政治家からは『すべてを電気自動車にすればいいんだ』とか、『製造業は時代遅れだ』という声を聞くこともありますが、私は、それは違うと思います」

9月に行われた日本自動車工業会(自工会)の記者会見で、会長を務めるトヨタ自動車の豊田章男社長はこう訴えた。日系自動車メーカーはいち早くハイブリッド車(HV)など電動車を普及させた結果、他国よりも抜きん出たCO2の排出量を削減した。そうした実績や国の事情に沿ったエネルギー政策をとるべきといったことが、豊田社長による発言の背景にある。

一方、政府へのロビー活動という点では、日本の自動車業界にとって不都合な分析もある。気候変動問題に関するイギリスの独立系シンクタンク、インフルエンスマップは、トヨタと自工会は2015年に採択された「パリ協定」を“最も守っていない組織”として低評価の格付けを行った。パリ協定は世界の平均気温上昇を2度未満に抑えることを掲げ、日本を含む約200カ国が合意した国際協定だ。

インフルエンスマップはなぜ、トヨタに厳しい評価を下すのか。世界各国で巻き起こるカーボンニュートラルの奔流に、日本の自動車メーカーはどう対応しているのか。インフルエンスマップ共同創設者のディラン・タナー氏に聞いた。

■企業が政策にどんな影響を与えているかを調査

――インフルエンスマップの格付けデータは、アメリカのニューヨーク・タイムズやイギリスのフィナンシャル・タイムズなど有力メディアにも引用され、政策当局や企業幹部らに影響を与えています。何をしている組織なのでしょうか。

まず、われわれは、企業や国による脱炭素化の取り組みそのものを評価する組織ではない。

気候・エネルギー政策に関して企業や業界団体が取っているポジションを評価する、ロビー活動の情報プラットフォームを運営している。企業が気候変動に対処するために必要な政策にどのような影響を与えているかを明確にすることが目的だ。投資家やその他ステークホルダーからの要望の高まりを受け、2015年末にパリ協定が結ばれる前に立ち上げた。

評価に当たって現段階で最も重視している基準は、気候変動に関する国連の諮問機関、IPCCが2018年に出したレポートだ。このレポートでは2035年から2050年までの間に、EVが内燃機関(ICE)搭載車に取って代わることを推奨しており、発表以降、アメリカ、ヨーロッパ、中国では急速にEVの導入が始まった。

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