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フェイクニュースを生む「こたつ記事」とは何か デマやガセに騙されるのは読者のせいじゃない

東洋経済オンライン / 2021年10月10日 17時0分

フェイクニュース生態系の中核的存在である「こたつ記事」とは何か(写真:Graphs/PIXTA)

ウサギの穴に飛び込むな──。批判的思考でフェイクニュースを見抜こうとしても、陰謀論に陥ることになる、という米「ニューヨーク・タイムズ・オンライン」の記事タイトルだ。フェイクニュースはもはや自己責任や個人の問題ではなく、ニュースの生態系の問題として解決の道を探るべきだという。 『フェイクニュースの生態系』編著者の法政大学社会学部教授、藤代裕之氏に話を聞いた。

■既存メディアの人達の記事が実はヤバい

──事実とうそが入り交じり、境界線が曖昧になっている現状を「誰も責任を持たない荒野のような状況」と表現されています。

ひとごとだと思ってるテレビや新聞、雑誌など既存メディアの人たちの記事が、実はヤバい。自社でパッケージ売りされていた記事が今はバラ売り。知らぬ間に加工・変換され、フェイクニュースの生態系に組み込まれている。この新聞なら安心とか、ここのはだいぶ盛ってるとか、かつての相場感みたいなものが崩れてしまった。

既存メディアは誤りがあれば訂正・謝罪し、批判される。でもインターネットのフェイクニュースは謝らない。勝手にタイトル書き換えて済ませたり。まじめな人ほど、訂正がないなら間違いはない、と判断しかねない。同じ皿に確からしいものと怪しいものが雑然と載っているから、もう安心できない。本当は誠実なニュースまでも遠ざけ、逸脱していき、陰謀論を信じる人になってしまったりする。

──コロナ禍のフェイク拡散には、既存メディアも一枚かんでいた。

昨年春、「トイレットペーパー不足」の情報が流布し店頭が大混乱しました。ソーシャルメディアのデマが原因とされたが、実際はそれほど拡散していない話題を「拡散している」とテレビが取り上げ騒動は拡大した。市場調査会社の調べによると、人々の情報入手先はテレビが46%と最多でした。

「SNSのデマで不足しています。お年寄りが並んでいます」とやるから品薄が加速した。一度流れができると、メディア間の相互作用で不確実な情報が入り交じる。大きなパワーを持つポータルサイトやテレビが最後に拡散のトランペットを吹く。訂正情報は出しても拡散力が弱く、弱いどころか、全然違う文脈に変換されていく。

外出自粛要請で東京から出られなくなるのを恐れた若者がバスターミナルに押し寄せている、というフェイクニュースも、「#東京脱出」がツイッターで拡散していると新聞が記事化し、テレビや地方メディアに影響が広がった。これも記事化前のツイート数はたった28件。どちらも事実未確認のままフェイクニュースを拡散させた例。何を信じていいのか、世の中の羅針盤を失うということです。

■こたつ記事をばらまく「ミドルメディア」

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