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イェール大卒の医師が明かす「脳疲労」の正体 日本人を苦しめる「べき思考」という現代病

東洋経済オンライン / 2021年10月14日 14時0分

猛スピードのジェット機でレールの上を走っているような現代人の生活は、知らぬ間に脳を疲れさせています(写真:rainmaker/PIXTA)

私たちの多くは、「こうあるべきだ」という思いにとらわれて、つねに効率を追い求め、忙しい日々を送っている。では、なぜ私たちは人生に充実感を感じられないのだろうか。そのような生活から得られたものは、私たちを幸福にしているのだろうか。

4000万人ものSNSフォロワーを誇る作家、ポッドキャスターのジェイ・シェティは、僧侶となるべく修行を重ねた経験をもとに、自分らしく生きるためのメソッドを紹介し、世界中から熱狂的な支持を得ている。

世界30カ国以上で刊行され、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー1位ともなり、8月に日本語版が刊行されたシェティの著書、『モンク思考』。

今回、本書でも取り上げられるマインドフルネスの持つ驚くべき力について、脳科学者で精神科医の久賀谷亮氏が解き明かす。

■疲れがとれないのは「脳疲労」が原因

身体を休めても疲れがとれずに残っていたり、集中力が落ちたりする場合は、脳疲労が関係していると考えられます。

脳は臓器です。筋肉と同じですから、脳の疲労は、体の疲労と比較することができます。たとえば、長時間コンピューターを使っていても、脳は疲れに気づかず、私たちもそれを感じません。でも実は、90分間コンピューターを使うことは、踏み台昇降を100回やるのと同じ疲労度なのです。

脳疲労が起きると、眠れなくなったり、ぼーっとしたりといった症状が表れ、パフォーマンスが落ちてしまいます。集中力に欠け、普段は何も考えずにやれていた車庫入れで車をぶつけてしまったり、部屋の中でテーブルに体を当ててしまうというようなことが起きます。

アメリカのオリンピック選手などは、こういったことを知っていて、トレーニングの前にはコンピューターや携帯電話を使わないようにしています。

まだすべてが解明されたわけではありませんが、脳の疲労物質は少しずつわかってきています。代表的なものは、アデノシン三リン酸(ATP)が分解されて発生するアデノシンという物質で、脳の前帯状皮質にくっつくことで、脳疲労を生じると考えられています。

■脳疲労の諸悪の根源は「心ここにあらず」

多くの方は、脳疲労が起きると、コーヒーや栄養ドリンクなど、カフェインをとることに走ってしまいます。しかし、カフェインは、疲労を感知する脳の部分をブロックしてしまうものです。一過性のしのぎにはなりますが、効果が切れれば、また舞い戻ってしまいます。

本当に脳疲労を減らすには、まずは予防的に、脳のマルチタスクをしないこと、つまり、脳の複数の場所を使うような作業をなるべくしないということが大切です。オリンピック選手も、脳の使い方に長けてくると、パフォーマンス時に使う脳の部分が小さくなり、効率よく働くようになるのです。

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