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小学校にこそ学んでほしい幼児教育の優れた実践 5歳児からの一律教育構想と並行での議論を

東洋経済オンライン / 2021年10月16日 15時0分

だから無理に教えるんじゃなくて、「七夕の短冊を書いてみよう」とか「サンタさんに手紙を書いてみよう」とかやって、そのときに自分で書けない子は先生がいっしょに書いてあげるとか、絵本をたくさん読んであげるとか、文字を使って生活が広がる経験をたくさんさせてあげるような活動を、幼稚園や保育園でもやってほしいということを書きました。

おおた:なるほど、なるほど。

■ある種の「常識」は育ててほしい

汐見:それと同じ問題がまた出てきたなと僕は思ってるわけ。幼稚園や保育園ではいま「経験カリキュラム」だし、遊びを中心としているわけじゃないですか。でもたとえばドングリを拾ったときに、「たくさんとれたね! 何個あるかみんなで数えてみようか」とやるか、「はい、じゃあここに入れて」で終わってしまうかでは、違うんでね。そういうちょっとしたことの積み重ねで、文字や数に興味を持ったり持たなかったりするわけですよね。

知ってる漢字の数とか分数の計算とかの速さや正確さを競っても仕方ないですけど、小学校を卒業するまでに歴史の大まかな流れくらいは知っているとか、打率3割ってどういう意味だかわかるというくらいにはなってほしいですからね。

おおた:世の中にはこんな物事のとらえ方があるんだという視点の網の目のようなものはできるだけ広くもたせてあげてほしいですよね。網の目の密度は、子どもそれぞれで違っていいと思いますが。

汐見:ある種の「常識」ですよね。それは育ててほしいんですね。僕の中にもやっぱり両面がまだあってね(笑)。

おおた:両面?

汐見:両面というのはおかしいのだけれど、知識の詰め込みなんてしなくていいと思う一方で、大人になって、何気ない会話の中でSDGsの話になったときに、それが通じるようなひとにはなってほしいとは思うわけですよ。どこそこのレストランの何がおいしいとか、テレビの大食い競争を見て喜んでいるとか、そんなことばかりの頭になってしまうのには、どうかなあと思うわけ。それで本当に幸せなのかなあと。

おおた:自分が幸せでないことにすら気づけないというのはまずいですからね。

汐見:だから社会科なんかも、暗記科目じゃなくて、街づくりをみんなで考えるみたいなことをやっていれば、子どもたちだって興味をもつに決まってると思うんですよ。小学校がそういうふうに変われば、うまく接続ができていくと思いますけどね。

おおた:それでいうと、幼児教育スタートプランについて「ことばの力、情報を活用する力、探究心を5歳児から」って書かれていますけど、「それらを伸ばす教育って、幼児教育におろす前に、そもそも小学校では実現できているんでしたっけ?」という疑問も私の中にはあって。

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