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業績回復が鮮明なセブン&アイ、際立つ不振事業 アメリカ好スタートも国内大型店舗の苦戦続く

東洋経済オンライン / 2021年10月16日 6時30分

井阪社長は「8月末の(アメリカの7NOW)取り扱い店舗数は約4000店舗。当初は2025年度に6500店舗への導入を目指していたが計画を前倒しして、2022年度に6500店舗の導入を目指していく」と強気の姿勢を示した。

好調なネットコンビニ事業については多くを語った井阪社長だが、言葉少なだった部門がある。そごう・西武やイトーヨーカ堂といった国内の大型商業店舗だ。

そごう・西武は売上高こそ2057億9200万円(前年同期比7.6%増)とやや持ち直したものの、営業赤字が49億9300万円と、前期と比べてほぼ14億円赤字が膨らんだ。

前期は休業期間も多く、販管費の一部をコロナによる特別損失として計上していた。今期はそれがなかったことで費用面が膨らんだ。そのうえ、売上高の回復が鈍く、2020年2月期水準の2890億2200万円の71%にしか届かなかったことで赤字の拡大を招いた。そごう・西武は当時からすでに赤字を計上していた。

■止血後も業績が沈む大型店舗

イトーヨーカ堂も苦戦が続いている。上半期の売上高は5116億8100万円(前年同期比1%減)と一見ほぼ横ばいだが、その内訳をみると前期に緊急事態宣言で休業を強いられたテナントが前年比14.1%増と急回復しており、ヨーカ堂本体の不振が足を引っ張る構図が際立つ。そごう・西武と同様に営業利益は悪化しており、10億7100万円(前年同期比64%減)となった。

イトーヨーカ堂本体の中でも悪化が顕著なのが衣料品や生活雑貨を扱うライフスタイル部門。上半期の部門売上高は1094億9900万円(前年同期比7.1%減)。コロナ前の2020年2月期上期は1460億8100万円の売上高があった部門で、売り上げを大きく減らしている。要因は衣料品などの長期的な構造不況で、回復の兆しが見えないのは懸念材料と言える。

こうした比較的大きな商圏を持つ大型店舗の課題については、今年7月に発表した中期経営計画(2025年度までの5カ年計画)でも対応策を掲げた分野でもある。

そごう・西武、イトーヨーカ堂いずれも人員適正化による収益性向上や地域に合わせた商品展開に売り場構成を変更する取り組みなどを進めている。イトーヨーカ堂では不採算店舗5店の閉鎖も進めている。

そもそも、そごう・西武やイトーヨーカ堂の不振は今に始まった話ではない。2018年2月期から2020年2月期の中期経営計画でも取り組んだ課題だ。

当時は「止血」を重点として閉店を進め、2017年2月期末で23店舗あったそごう・西武は10店まで整理され、イトーヨーカ堂の店舗は、2017年2月期初めの182店から2021年2月期末には132店まで減少した。

コロナ禍が直撃したとはいえ、その後1年以上が経過しても、大型店舗部門の業績は沈んだままで出口が見えない状況が続いている。

好スタートを切ったアメリカ事業やコンビニ事業の回復が見えた今こそ、不振事業の立て直しを図れるか。井阪社長の手腕が問われている。

中野 大樹:東洋経済 記者

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