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最もまともな「バラマキ」を掲げる政党はどこか 「バラマキ政策」は必ずしも悪いとは言えない

東洋経済オンライン / 2021年10月23日 8時0分

今回の衆議院選挙は極端に言えば「バラマキ合戦」のような状況。筆者から見て「最もまともなバラマキ政策」を掲げる政党はどこだろうか(写真:Caito/PIXTA)

財務省の現役事務次官である矢野康治氏が『文藝春秋』(2021年11月号)に寄稿した論文が、なお話題になっている。

■吠える財務事務次官は歓迎だが論旨に納得しないワケ

政治家の政策論を「バラマキ合戦」と評して、日本財政の危機を訴えたものだが、文中で矢野氏は、「心あるモノ言う犬」を自称している。

第三者が官僚を「犬」にたとえることはよくあるが(どちらも「序列に敏感な生き物」だ)、「官僚さんご本人」が犬を自称するとは珍しい。

意見を言うことは大事だ。政治家の脳みそから出る考えだけでは不十分なことが多いので、とくに官僚からの「個人の責任での」意見は大いに歓迎したい。矢野氏にも引き続き、元気にほえてほしい。

ただし、今回の論旨には賛成しない。

矢野氏は、有名な「ワニの口」のたとえ(矢野氏の考案らしい)を引きながら、プライマリーバランス(税収などで政策的経費を支払えているかどうか)の赤字を止めないと、ワニの口(=財政赤字)が開きっぱなしに発散することを警告している。

だが、そもそも「財政赤字の残高」はゼロがいいのではなく、そのときどきに「適正額」がある。日本銀行の金融政策や政府のバランスシートにもよるが、今は、その適正額は現状よりも大きい。

また、デフレを脱却しつつ金融緩和を続けると、タイムラグを伴ってだが、歳出よりも歳入の増加率が上回って、ワニの下あごが徐々に上あごに近づいてくるはずだ。「ただちに緊縮財政」に傾斜することは副作用が大きく、かえってワニの下あごを引き下げることがある。

徹底的な緊縮財政を行うとワニの口は閉まるかもしれないが、ワニ本体が衰弱しながら縮んでしまう。経済にとってより好ましい形で、「ワニ全体」(日本経済全体)が大きくなりながら、ワニの元気さ(経済の活性度合い)も大切にしつつ、ワニの口を見守りたい。

「国民の忠犬」である官僚さんには、ぜひこのように考えてほしい。

さて、矢野氏の指摘は、時期的に先に行われた自由民主党の総裁選を意識したものだろうが、その後に衆議院が解散されて、選挙戦が始まってみると、「バラマキ合戦」はさらにヒートアップしている。

■「バラマキ」として評価できる政策とは?

今回、筆者が「バラマキ」として評価する政策は、現金の給付や、減税ないし社会保険料の削減のように、広い範囲の国民の手元の現金残高を増やすような政策だ。今回の各党の「公約」(本当に約束しているのかどうかは不明だが、慣例に従って呼ぶ)には「バラマキ政策」の採用が実に多い。

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