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米中対立を「中立的サプライチェーン」で生き残る 「生産分散」「技術的中立性」「地産地消」の3条件

東洋経済オンライン / 2021年10月26日 11時30分

2020年の中国の自動車部品(HS8708)の輸出結合度が最も高い相手国・地域は香港で、世界平均の3.5倍の結合度であった。これは香港を活用した加工貿易の結果というよりも、スペアパーツやアフターパーツなどの自動車部品を香港の保税倉庫で保管し、必要な時に必要な地域に輸出するという商流の存在が大きいと考えられる。また、輸出ではフィリピン(2.8倍)、日本(2.3倍)、韓国(2.1倍)との結合度が高かった。

一方、輸入結合度が高かったのはベトナム(1.9倍)、日本(1.8倍)、ドイツ(1.3倍)であった。そしてアメリカとは輸出で0.8倍、輸入で0.5倍であり、2015年と比べてもほとんど横ばいで推移している。自動車部品について、中国はASEANおよび日本、ドイツと緊密な水平的分業構造を構築し、アメリカとの関係は米中対立によって大きな影響を受けていないと推定できる。自動車部品は大きくて重たいものが多いため、相対的に消費地(自動車生産地)に近いところに生産が集積していくことから、中国と北米市場との連結性は強くないのかもしれない。

また、ワイヤーハーネスなど電気機械(HS85)に分類される自動車部品もあるので、ここではあくまでもHS8708に限った自動車部品について議論していることにも留意が必要である。

さて、次に半導体(HS8541と8542)については、中国の輸出結合度が高い国・地域は韓国(2.7倍)、ベトナム(2.5倍)、インドおよび香港(2.1倍)、台湾(1.8倍)であった。インドを除くこれら国・地域とは活発な水平分業が展開されていると考えられ、輸入結合度も高くなっている。アメリカとは2015年比で結合度は低下しており、輸出で0.3倍、輸入で0.7倍となっている。逆に中国が半導体貿易で結合度を高めている国はベトナムであった。近年、スマートフォンやタブレットPCの生産移管が急速に進んだことが背景にあると考えられる。

レア・アース(HS2846)については、最上流にある素材であるため、水平的な分業を前提としない品目である。採掘されてそのまま貿易されるものを対象としている。産出地で加工されてから輸出される場合は、この品目コードではないコードに変更されるので把握できない。この点に留意して中国の結合度を確認すると、輸出ではオランダが19.5倍と極端に大きく、次いで日本(2.4倍)、フランスおよびアメリカ(2.1倍)、韓国(1.2倍)となっている。2015年比で輸出先として結合度が上昇したのは日本とアメリカだけであり、米中対立下でもレア・アースの貿易転換はなかなか進んでいないことがうかがえる。また、中国の輸入結合度が最も高いのは台湾(2.1倍)で、このほかには中国の輸入結合度が1.0を上回る国・地域はなかった。つまり中国からの一方的な輸出が多い品目であり、これは他国・地域でレア・アースの産出が少ないことによる。

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