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ワクチンじゃない?謎のコロナ急減解く3つの鍵 ロックダウンなど強い行動制限なしでも急減した

東洋経済オンライン / 2021年10月26日 11時0分

このメカニズムを根拠に、われわれは7月後半・8月前半には「自主的な行動変容による感染拡大抑制シナリオ」というものを提示していた。このシナリオでの見通しは定量的には現実との乖離もあるが、「追加的な人流抑制なしでも感染は急速に減少する」というパターンを大体捉えている。

図4では、この仮説の定量的重要性を捉えるために、過去の接触率パラメーターと新規感染者数、重症病床使用率の過去の相関関係を取り入れていたら、仮想見通しはどのように変化したかを示している。過去のデータによると、新規感染者数・重症病床使用率の増加はその後の実効再生産数の減少を予測する力がある。

結果としては、図に示されているように、この仮説は8月後半からの感染者減少をある程度説明することが可能である。

この仮説の弱点は、新規感染者数が減少して重症病床使用率が下がった10月以降でも、感染減少が続いていることを説明しにくいことである。われわれは、この仮説は8月後半・9月前半の感染減少にある一定の貢献をしたが、それ以降の感染減少の説明には他の要因が必要であると判断している。

3.自然の周期

ウイルスの流行・変異には自然の周期というものがあり人間の行動とは関係なしに増加したり減少したりするという主張も聞かれる。季節性インフルエンザが人流抑制とはまったく関係なしに毎年冬に訪れることを考えると、ウイルス学を専門としないわれわれには十分に検討に値する仮説に思える。

実際に、図5に示されているように、120日のサイクルと過去の接触率パラメーターとの相関関係を考慮した見通しを立てていたら、8月後半以降の感染減少をある程度捉えることができる。この仮説が正しいならば、感染症対策と社会経済活動の両立という視点からの最適な政策というものは根本的に見直す必要があるかもしれない。

この要素の今後の見通しへの影響は、周期がなぜ生まれるかに依存する。冬に拡大・4カ月後にアルファ株が蔓延・その4カ月後にデルタ株が蔓延したことで外生的に120日周期が発生してきたとする。そうすると、冬にまた拡大すると考えることもできれば、デルタ株よりも強い変異株が出てこない限り、拡大はもう起こらないと考えることもできる。もしこのような周期が上記したような人々の自主的なリスク回避行動によって内生的に発生するのであれば、それは再度波が来る可能性を示唆する。

■急速な感染減少の政策含意

今回のレポートでは、急速な感染減少に関するいくつかの仮説の定量的重要性を分析した。こういった分析の結果は分析手法によって大きく変わる。したがって、われわれの分析結果を真実として受け止めるのではなく、今後出てくるであろう数ある分析結果の1つとして受け止めていただきたい。また、われわれもこの分析を最終地点として位置付けているわけではなく、今後も分析を続ける。分析でわかりにくい点・物足りない点等があれば、気軽に連絡していただけるとありがたい。

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