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戦後最悪の日韓関係となった大統領の軌跡 「当為性」を重視する姿勢 日本の重要性の低下も一因

東洋経済オンライン / 2021年11月18日 8時30分

2021年6月のG20サミットに出席した韓国の文在寅大統領と金正淑夫人(写真・2021 Bloomberg Finance LP)

2022年3月の大統領選挙に向けて、与党と最大野党の候補者も選出された韓国。一方の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、1期5年制再選なしという憲法の規定のため、2022年5月に退任する。歴史問題をはじめ懸案の解決に進展がなく、日本との関係が悪いままだった文在寅政権をどう評価するか。『文在寅政権期の韓国社会・政治と日韓関係』を書いた静岡県立大学の小針進教授に、文在寅政権の5年間の軌跡を聞いた。そこからは、日韓関係の構造的変化が見えてくる。

■産業化で生じた負の側面に集中した大統領

──「最悪の日韓関係」といわれた文政権の5年間が間もなく終わろうとしています。

研究者仲間と「日韓関係がこれほど悪化した時期は、後々どう語られるだろうか」と会話したのが、本書を執筆した理由の1つです。文政権期の韓国社会・政治に対する定点観測やメディア報道の問題点、大統領の対日・対中観、日本人の嫌韓といった分析とともに、両国の政府関係文書なども精査しながら記述しました。

──これまでの大統領と比べ、文大統領をどのような大統領として評価しますか。

韓国現代史では、いわゆる保守政権が経済成長のための産業化政策と米韓同盟による安全保障政策を最優先にしてきました。他方で、社会全体が民主化を希求し、民主主義が花咲きました。文大統領はこれらを基盤とする国力を引き継いだ大統領です。

ところが、産業化で成長した過去の治績を享受しながらも、これをリスペクトせず、生じた弊害の部分だけを「積弊」と焦点化し、その清算を政治の争点にして過去を全否定する傾向が強い大統領です。ただ、この姿勢は韓国社会全体の時流と、ある程度一致します。

──文大統領は現実にどう対処するかというよりも、「かくあるべし」という理想論を前面に出すことが多いように見えます。

韓国の国際政治経済学者のロー・ダニエル氏は「韓国人や政府の歴史認識や行動は、当為主義という概念に集約することができる。認識や価値判断において現実(what is)よりも当為(ought to be)に焦点を置くものである」と指摘しています。「こうあるべきだ」が第一で、もともとあるべき理想へのこだわりを重視するという意味です。決めた規則や約束を重視してそのとおりにする機能主義(形式主義)とは違い、この「当為性」がとても強まっているように思えます。

──韓国大統領はこれまで、残り任期1年を切ると一気にレームダック(死に体)化しましたが、文大統領はそうではありませんね。

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