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求心力低下?岸田首相も絡む「安倍」包囲網の成否 「最強のキングメーカー」狙いに渦巻く警戒心

東洋経済オンライン / 2021年12月8日 8時30分

岸田首相と安倍氏の関係は表向きは蜜月だが……(写真:つのだよしお/アフロ)

自民党最大派閥の領袖となった安倍晋三元首相の保守派リーダーとしての一連の言動が内外に波紋を広げ、岸田文雄首相の政権運営にも影響を及ぼしている。特に「台湾有事は日本有事」との安倍発言は中国を激怒させ、岸田首相の対中外交を混乱させている。

安倍氏は麻生太郎自民党副総裁とともに岸田政権誕生の立役者で、岸田首相との会談でも表向きは「全面支援」を繰り返す。しかし「内情は複雑」(安倍派幹部)で、岸田首相を軸とする自民党内実力者たちの間でも、「最強のキングメーカー」を狙う安倍氏への不満と警戒心が渦巻く。

衆院選勝利で自信をつけた岸田首相は、水面下では安倍氏への忖度をかなぐり捨て、党・内閣人事などを絡めて「安倍包囲網」を仕掛けているようにもみえる。もちろん安倍氏も応戦の構えだが、足元の安倍派の足並みの乱れもあって、さまざまな権謀術数の前に求心力も低下し始めている。

■「表舞台」に復帰した安倍氏

安倍派誕生が決まったのは、第2次岸田政権発足翌日の11月11日。自民党最大派閥の前細田派(清和政策研究会)が同日の総会で、安倍氏の派閥復帰と新会長就任を満場一致で決めた。安倍氏にとって昨年9月の首相辞任から約1年2カ月ぶりの「表舞台」復帰だ。

注目されたのはその際の安倍氏の就任あいさつ。「中国は近年急速な軍事費の増大を行い、台湾に対する軍事的な威圧を高めている」「憲法改正はまさに立党以来の党是だ。この議論の先頭に清和会が立とう」――。中国への対決姿勢や憲法改正などで「安倍カラー全開」(派若手)で派内に檄を飛ばした。

その後、12月1日の安倍発言は波紋を広げた。同日、台湾で開かれたシンポジウムに日本からオンライン参加した安倍氏は「新時代の日台関係」とのテーマで講演し、「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある。習近平国家主席は断じて見誤るべきではない」と、中国による台湾への軍事的圧力を強い表現で牽制してみせた。

長期間日本の外交戦略をリードしてきた安倍氏の発言だけに、中国側は直ちに「強烈な不満と断固たる反対」を表明。華春瑩外務次官補が同夜、垂秀夫駐中国大使を呼び出し、「中国の内政に乱暴に干渉した」などと抗議したうえで、「(日本が誤った道を進めば)必ず火遊びで焼け死ぬだろう」と激しい言葉で非難した。

これに対し、抗議を受けた垂大使は「日本国内にこうした考え方があることは、中国として理解をする必要がある。中国側の一方的な主張については受け入れられない」と反論。松野博一官房長官も2日の記者会見で「(日本政府の)立場に基づく然るべき反論をした」と説明した。

■林氏の鞍替えに不満たらたら

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