永田町に大波紋「菅氏、表舞台で再始動」の裏事情 「反主流派連合の旗揚げ」との臆測が飛ぶ騒ぎに
東洋経済オンライン / 2022年1月12日 9時30分
昨年9月の自民党総裁選を前に突然退陣表明して政界を驚かせた菅義偉前首相が、昨年暮れから政治の表舞台で再始動したことが、年明けの永田町に波紋を広げている。
売り物の「聞く力」への国民的評価で内閣支持率を上昇させた岸田文雄首相だが、年明けの新型コロナの新変異株オミクロンの想定を超える感染爆発で、対応に苦闘している。このため、1月17日召集の通常国会を前にオミクロン政局の様相が濃くなり、その隙を突くような菅氏の再始動が格好の話題となるのだ。
オミクロン対応の最大のポイントはブースター接種と呼ばれる3回目のワクチン接種の加速化。岸田首相も週明けの1月11日、専門家の要請を踏まえ重症化の不安が強い高齢者対象の接種を、当初の方針から大幅に前倒しする方針を打ち出した。
併せてオミクロン株での厳しい水際対策を当初の1月末から1カ月延長することも決定。これまで通りの「先手先手の対応で国民の支持をつなぎとめる戦略」(周辺)だ。ただ、肝心のワクチンの確保数量はなお不透明で、国民の不安は募るばかりだ。
■これ見よがしに「冷や飯組」の会合に参加
その一方で、首相在任中、「ワクチン一本足打法」と揶揄され続けた菅氏だが、トップリーダーとしての強権発動でのワクチン接種加速化への国民の評価はなお高い。衆院選での全国各地での応援遊説で「菅さん、ワクチンありがとう」などの感謝と激励の声が相次ぎ、菅氏も「勇気と自信がよみがえった」と述懐する。
菅政権を支えた無派閥議員による「ガネーシャの会」など、いわゆる菅グループの派閥化については、菅氏はなお否定的だ。ただ、「政策実現のための議員集団は必要」としており、年末に冷や飯組とされる二階派幹部や石破茂元幹事長との会合にも、これ見よがしに参加した。
岸田首相を支える安倍、麻生、茂木の3大派閥と谷垣グループが構成する主流派は、「数のうえでは盤石」にもみえる。しかし、最大派閥の安倍派を率いる安倍晋三元首相と岸田首相の微妙な確執が、主流派の結束維持に影を落としている。
菅氏とともにメディアへの露出を増やしている安倍氏は、菅氏との絆の強さを繰り返し、早期の「菅派結成」をけしかける。岸田首相は麻生、安倍、菅の3人の首相経験者との対立回避に腐心しているが、オミクロン政局の今後の展開と菅氏の出方次第では、政権の基盤が揺らぐ可能性を指摘する声も少なくない。
自民党総裁選告示を2週間後に控えた9月3日朝、当時首相だった菅氏は「戦う気力がなくなった」と唐突に退陣表明した。岸田派領袖の岸田氏が総裁選出馬表明で総裁選実施が確定する中、「任期中はコロナ対策に専念する」との理由だった。
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